やまみは8月21日、都内で2019年6月期決算会見を開き、山名清社長が業績や新工場・富士山麓工場(静岡駿東郡)の稼働に伴う関東市場の戦略について説明した。

19年6月期決算は、売上高は前年比3.6%増の108億8,100万円、営業利益は同4.2%減の9億4,100万円、経常利益は2.0%減の9億7,600万円の増収減益となった。

山名社長は始めに、前期を振り返り、売上高は高付加価値製品の発売、生産体制の増強による供給安定化などにより、わずかに前年実績を上回ったとした。営業利益については、「第1四半期に、『平成30年7月豪雨』で本社工場(広島県三原市)が約10日間停止した影響などがあったが、第2四半期以降巻き返した。しかし、第4四半期では運賃・人件費の上昇などが影響した」と説明した。

拠点別売上高は、本社工場はほぼ横ばい、関西工場は伸長しており、「関西は2,000万人以上のマーケット。まだまだ伸びしろがある。関西工場の稼働率はまだ低く、今後の(豆腐市場の)淘汰を待ち受けている形だ」と述べた。なお、8月末にテスト稼働開始する新工場は今期、10億円の売上高を見込む。

さらに、高付加価値製品に引き続き取り組み、前期に投入した北海道大豆シリーズは、シリーズ計で2億9,200万円の売上を確保した。

設備投資の状況にも言及し、本社工場と関西工場においては、投資は概ね完了し、他社にはない衛生管理状態、生産能力になっているとした。その上で、今後は投資の大部分が新工場にあてられるとし、「新工場は土地を除き50億円近い、過去にない大きな投資額となった。しかし、約20億円を投じた関西工場においても、当初厳しい局面もあったものの、順調に稼働率もあがり、現在の状況となっている」と話し、新工場に期待を示した。なお、今期の新工場の生産能力は、カット豆腐ラインが毎時1万5,000個、厚揚げラインが同6,500個、カット4P豆腐設備が5,000パックとなっている。

〈無人化・量産の80gミニ豆腐を発売、関東の主要食品スーパーで採用進む〉
今後の事業展開については、中期経営計画を見直し、今期は売上高125億円(前中計は130億円を計画)、営業利益は6億3,100万円(同10億3,300万円)、経常利益は6億6,000万円(10億円)を計画。下方修正の要因については、直近の販売状況や、最新設備の導入と追加投資による新工場の減価償却費の増加、運送費・労務費・人件費の増加などを挙げた。

続いて、関東圏での活動展開が順調であると強調。「自動化ラインによる焼き豆腐など当社独自の付加価値製品は、主要な食品スーパーの7割程度に納品できる予定だ」と述べた。

合わせて関東市場では、来年3月1日から、個食化・少量化が進んでいることを背景に、無人化で量産できる国産大豆ミニ木綿豆腐80g(2P・4P)を発売することを紹介し、「新工場で主力の商品にしていきたい。同製品も主要なスーパーの大部分で採用が決まっている。」とした。

加えて、今年5月に発表したハウス食品グループ本社との資本業務提携に関して、協業第1弾として、ハウス食品グループ本社開発の「乳酸菌L-137」を、同社の売れ筋である厚揚げ、「北海道産大豆とろけるふんわりとうふ」に配合した製品を投入する。

今年8月に発売開始したおからパウダーは、今期の目標売上高を5億円とする。日産1万5,000パックとなる、生産能力の強みを語った。

質疑応答では、関東市場の戦略について、「高付加価値製品が受け入れられており、そこを大切にする。ただ、低価格のコモディティ品は提案していないため、スピード感はできくい」と述べた。他方で、「静岡、山梨などの地域では、一律の戦略から切り替えることも検討している」との考えを示した。

〈大豆油糧日報 2019年8月23日付〉