ミヨシ油脂がコンパウンドオイル「SAVEUR(サブール)」発表会、バターの甘味とコクを濃縮、常温・液体で使いやすさも

〈鮮度保つボトル採用〉
ミヨシ油脂は12月3日、バターの上品な風味が香るオイル「SAVEUR(サブール)」の商品発表会を、本社で開催した。ベーカリー「サ・マーシュ」(神戸)の西川功晃オーナーシェフが、デモンストレーションを通じて、「サブール」(10月発売)の特長や用途の広さを伝えた。「サブール」は、常温・液体で、使いやすさも兼ね備えている。乳等を主要原料とする食品。4.8kg段ボール入り(400g×12)。

製パン・製菓市場への拡販に注力するほか、レストランやカフェ、外食市場にもアピールしていく。

始めに、同社の松室貞夫取締役執行役員があいさつし、「『サブール』は、液状のバターオイルで、西川シェフからも、面白い商品だと評価を頂き、さまざまなレシピ・使い方を考えて頂いた」と述べた。

ミヨシ油脂 松室貞夫取締役執行役員

ミヨシ油脂 松室貞夫取締役執行役員

続いて、同社食品本部営業企画部の高橋芳枝係長が、「サブール」の開発背景・商品説明を行い、「『サブール』とは、フランス語で風味、味という意味をもつ。バターの風味・味をみなさんに届けたいという思いを込めた」と紹介した。乳脂肪を10度で固形状と液状に分別し、液状の部分のみを用いて、なたね油をブレンドしているとする。さらに開発経緯について、「もともと同様の設計で、『CPオイルLM』を展開しており、幅広い用途で利用されているが、16kgローヤル缶であることから、小型化を要望する声を頂いた。『サブール(400g)』の開発に当たっては、西川シェフから、商品名やボトルデザインなどの面でも助言をもらった」とした。
 
特長は、
△バター本来の甘味とコクを濃縮していること、
△常温で液状である使いやすさ、
△酸化を防ぎ、鮮度を保つソフトボトル入りであること
――だという。「フルーツや乳製品、ジャスミンなど自然のものに広く存在する香気成分・ラクトンを、バターの3倍以上含んでいるため、少量でもバターの風味を感じる」とする。
 
さらに、常温で液状であり、チルド帯でも結晶性が低いため、バターのように溶かす手間がなく、冷蔵庫から出してすぐに使える。バターオイルを67.5%含有するデリケートな品質であり、2重剥離構造により鮮度保持力を高めたソフトボトルを採用した。
 
〈幅広い用途に適する、現場の作業性向上にも寄与/西川シェフ〉

西川シェフは、「これまで、澄ましバターを作って、生地の焼き上がりに塗っていたが、人手不足が問題になる中で、とても手間がかかっていた。また、冷蔵保存すると固まり、すぐ使うことができない。常温で保管すれば酸化してしまう。そのような中で、『サブール』のもととなる製品に出会った」と話し、「サブール」の利便性の高さを語った。

ベーカリー「サ・マーシュ」西川功晃オーナーシェフ

ベーカリー「サ・マーシュ」西川功晃オーナーシェフ

味わいの面でも評価を寄せており、「最近出回っているバターフレーバーオイルは、強烈なバター感を感じるが、毎日食べるのにはどうか。一方、『サブール』はバターの香り、味をピュアに感じ、組み合わせにも適している」と話した。
 
その後、「たまごとお野菜のタルティーヌ」「ガレット・バターコーン」「ルーレ・ブリエ」「ブリエ・フロマージュ」などのデモンストレーションを行い、「サブール」は塗ったり、かけたり、混ぜたり、注ぐといった、幅広い用途に適していることを伝えた。西川シェフは、「ライブ感のあるお店では、お客さんの前で『サブール』をかけて見せると喜ばれるのではないか」と述べた。
 
〈大豆油糧日報 2019年12月6日付〉