アサヒコ「TOFFU PROTEIN(トーフ プロテイン)」シリーズ展開、豆腐ミート「MEATOFFU(ミートーフ)」発売へ

アサヒコ「MEATOFFU」のガパオ風(調理例)
〈一般的な大豆ミートよりもたん白含有量多く柔らかい、大豆臭さもなし〉
アサヒコ(さいたま市)は、人と地球にやさしい未来の豆腐として「TOFFU PROTEIN(トーフ プロテイン)」シリーズの展開を開始し、今年秋口には、肉の代替になる「MEATOFFU(ミートーフ)」を、小売用と業務用で発売を予定している。

「TOFFU PROTEIN」は、従来の白い豆腐を進化させ、効率的にたん白質が摂取でき、肉やごはん・麺の代わりに食べられるように仕立てたシリーズだ。豆腐を原料とした植物性のため、環境に負荷をかけず、さらにコレステロールや糖質を控えることができるため、より健康的な食生活を実現する。命名の「TOFFU PROTEIN」には、(糖質やコレステロールなど)身体にとって要らないものを「OFF」し、身体の維持に必要な植物たん白を「IN」するという意味を込めている。

そのうち「MEATOFFU」は、豆腐から作るミンチ状の100%植物性肉(豆腐ミート)で、脱脂大豆から製造する一般的な大豆ミートよりも、たん白質含有量が多く、豆腐を原料としているため吸収率も高いのが特徴だ。さらに、試食アンケートを実施したところ、柔らかさや、大豆臭さがないといった点でも一般的な大豆ミートよりも、評価が高かったという。同社担当者は、「豆腐メーカーとしても意地を見せたい」と、上市に向けて意気込む。 

〈小売用は「ガパオ風」など味付けタイプ、業務用は汎用性高いプレーンタイプ発売〉
小売用では、まずは消費者に豆腐ミートの汎用性の高さを示すため、「ガパオ風」「キーマカレー」「肉そぼろ」「麻婆豆腐」など、調味液を加えた、味付け済みの個食タイプで展開する予定だ。「麻婆豆腐」は、豆腐ミート、ハイプロテインの豆腐を使用しているほか、調味液も動物性不使用とし、ヴィーガン対応商品となる。いずれの商品も、「言われなければ代替肉だと気づかれない」(同社)と、自信を見せる。

アサヒコ「MEATOFFU」の麻婆豆腐(調理例)

アサヒコ「MEATOFFU」の麻婆豆腐(調理例)

 
商談にも手応えを感じている。たん白質含有量など、一般的な大豆ミートと比較した際の優位性や、親会社のプルムウォングループ(韓国)では、代替肉市場が急拡大している米国にも事業を展開している強みがある。「米国の情報を捉えているため、売り方を含めて、流通に情報提供できることにも評価を頂いている」という。
 
まずは、豆腐売場での展開を想定しているが、「いずれは米国のように、カテゴリを超えた植物性食品コーナーで並べていきたい」と、今後の日本における植物性食品の定着にも期待を寄せる。
 
業務用では、素材タイプ(プレーン)を提供する。まずは外食店、宅配ルートなどをターゲットとしているが、豆腐ミートを生かしたレシピを開発し、積極的に広げていく考えだ。
 
「TOFFU PROTEIN」シリーズでは、代替肉の切り口だけではなく、第1弾として今年5月、大豆たん白質を強化した「HIGH PROTEIN TOFFU(ハイプロテイン トーフ)」として「高たん白質豆腐バー」(柚子胡椒風味・和風だし)のテスト販売を、都内のコンビニで開始した。1本で9.4gの大豆たん白が摂れる。そのままはもちろん、カットしてサラダやみそ汁に加えることもできる。評価は上々だとし、秋冬の本格発売に向けてアップグレードを図る。
 
さらに、来年3月頃には、豆腐を原料とし、ごはんや麺の代替になる「TOFFU Rice・Noodle(トーフ ライス・ヌードル)」を展開する予定だ。糖質をオフしつつ、しっかりたん白質が摂れる。
 
同社は、伝統的な豆腐、油揚げの良さを今後もしっかり訴求していくことに変わりはないとした上で、「従来の豆腐だけではメニューにマンネリ化を感じる人がいる。このような層に向けて、例えば挽肉のように豆腐を進化させ、現代の食卓にのぼりやすいように形を変えることも重要」とし、「TOFFU PROTEIN」を新たな軸として育成していく。
 
〈大豆油糧日報2020年6月24日付〉