ハナマルキ、液体塩こうじ専用のタイ新工場稼働、第2工場の建設も視野に

ハナマルキ・花岡俊夫社長
ハナマルキはこのほど、都内で開いた業界紙向け記者懇親会で、2019年度業績や新型コロナウイルスによる影響、液体塩こうじの海外展開などについて説明した。

液体塩こうじの海外展開では、タイの新工場が2月から出荷を開始しており、ベトナムの物流拠点を軸に中国を含めた東南アジアに向け、液体塩こうじの輸出を強化していくとした。

花岡俊夫社長は、「タイの新工場には、まだ空きスペースがあるので、需要の高まりに合わせて第2工場の建設も考えている。液体塩こうじには、国境を超えていく可能性がある。国内向けは大利根工場、海外向けはタイ工場と2つの工場による生産体制を整えることで、業績の拡大を図っていきたい」と力強く語った。中国での液体塩こうじの商品名は「味曲汁」(wei qu zhi)とし、麹の調味料液といった意味をもたせたとしている。

新型コロナウイルスによる影響では、「家庭用のみそや即席みそ汁は前年を上回って推移している。みそではだし入りと無添加が数量を増やしている。塩こうじは新型コロナの影響に関係なく、販売が増えている。特に液体塩こうじに関しては、新規開拓が進んでおり、家庭用・業務用ともに堅調に推移している」と自信を見せた。

2019年度業績では、全体の売上高が前年比1.5%減の199億円となった。内訳は、みそが同1%減の99億円、加工食品(即席みそ汁、菓子原料、塩こうじ)が2%減の100億円となった。このうち、塩こうじは同9.5%増の11.5億円を達成。液体塩こうじの家庭用に関しては、40%増と大幅に伸長した。また、塩こうじの粒タイプの売上も拡大しており、塩こうじ全体のシェアを着々と広げているとした。

なお、2020年度経営計画では、新型コロナの影響により、今後の業績を予測することが困難なことから、非公表とした。ただ、塩こうじ事業については、20年も前年増を見込んでいるとし、オンラインライブ配信を含めた動画での使い方提案などを推し進め、さらなる成長を目指すとしている。

〈大豆油糧日報2020年6月29日付〉