東京のみそ“江戸甘みそ”復活へ、主力商品群を強力訴求/ちくま食品

ちくま食品「大江戸甘みそ」
〈「大江戸甘みそ」の味に驚かれる人も、味の継承に責任感〉
ちくま味噌は、元禄初年、乳熊屋作兵衛商店として、深川永代橋で創業以来300余年を迎え、2020年は改めて、江戸の甘みその復活を目指し、伝統の老舗の味を強力に訴求していく考えだ。

江戸時代から親しまれてきた、本来の江戸みそを忠実に復刻させた「大江戸甘みそ」では赤と白をラインアップ。赤みそでは、米糀をたっぷり15割、塩分5.5%に仕上げ、ほんのり甘口でありながら、コクのあるきめ細やかな口当たりを実現している。みそ汁以外にも煮込み料理などにも適しているという。

ちくま食品の竹口友章代表取締役は、「こんな味のみそ舐めたことがないと驚かれる人もいる。江戸みその認知度はまだ低い。今後江戸みその味を継承していかなければならない」と責任感をにじませる。「赤みそは、色が濃くても塩分は5%程度。見た目と味のギャップがあり、いい意味でクセのあるみそなのでその良さを伝えていきたい」と意気込みを見せる。

竹口代表取締役

竹口代表取締役

 
味は、八丁味噌のコクと西京味噌のまろやかさを組み合わせたような味わいなのだという。「みそラーメンのスープやさばの味噌煮などに適している。少し加えるだけでも味が変わる。味の評価はいい」とし、今後の展開に期待を膨らませる。
 
〈実在した相撲部屋から伝授された味を再現、スタミナ満点の「ちから味噌」〉
別名「ちから味噌」と言われるスタミナ満点の「力士みそ」の販売にも力を入れる。実在した相撲部屋から伝授された味を再現したもので、ちくま味噌に国産の鶏そぼろ、ニンニク、ごま油、唐辛子を絶妙に合わせた。クセになる少しピリ辛で具だくさんの食べるみそとし、温かいご飯にのせたり、野菜に付けたり、酒の肴にもなるほか、鍋の薬味やコクだしのアクセントとしても活躍できるという。

ちくま食品「力士みそ」

ちくま食品「力士みそ」

 
また、「元祖こぶだしみそ 白・赤」はちくま味噌の看板商品だ。北海道産のだし昆布でみそを包みおいしさを倍増させている。国産米100%使用し、低温でじっくり熟成した7.5割こうじのきめ細やかな口当たりのみそに、天然の昆布、かつおだしを加えている。

ちくま食品「元祖こぶだしみそ 白・赤」

ちくま食品「元祖こぶだしみそ 白・赤」

 
「大江戸甘味噌漬(きゅうり・だいこん)」も江戸甘みその復活に華を添える。伝統のちくま大江戸甘みそを使用したタレで国産野菜を漬け込んだ。パリッとした食感がご飯に最適で、江戸の風味が楽しめる一品だ。
 
ちくま味噌はフリーズドライみそ汁としても商品化されており、江戸の下町で親しまれてきたみそを再現している。国産原料仕込みで、ほんのり甘口、塩分も控えめ。かつお、昆布の天然だしを効かせ、具材も油揚げ、ごぼう、にんじん、青ネギを使用しボリューム感のあるみそ汁とした。
 
こうした商品を詰め合わせたギフトにも力を入れていきたいとする。
 
「中元・歳暮の市場は縮小しているが、パーソナルギフトは伸びている」とし、竹口代表取締役も徹底的にやっていくと意欲を見せる。
 
新型コロナウイルスの影響で、輸出は止まってしまっているが、来年の東京オリンピックに向けて、売場においても、江戸みそをテーマにした催事も提案し、実現に向けて、アクセルを踏み込む構えだ。
 
〈大豆油糧日報2020年10月7日付〉