――前期(3月期)を振り返って

外食市場は、新型コロナの影響に振り回された一年だった。一番記憶に残ったのは、人の流れが変わると、いかに売上やモノの流れが変わるのかということ。これまでも外食、中食などの業態ごとに切り口を変えたご提案をしてきたが、もっと細分化した視点が大事だ。

例えば同じ「外食」の業態でも、居酒屋、ファミリーレストラン、ファーストフードなど、それぞれの業種によってコロナ禍で受けた影響の違いは鮮明になり、さらに同じ業種、もっといえば同じチェーン店でも都会のオフィス街と郊外のロードサイドの立地によって動きは全く違った。業務用で推進してきた「ニーズ協働発掘型営業」で、今後は消費者の動向をしっかり見据えてユーザーへの提案を考えていく必要性を実感した。

年間を通してみると、業務用全体で90%台の着地となった。業界全体では80%台のイメージだと思うが、日清オイリオグループがそこまで落ちなかったのは、販売先が分散しているためだ。この様な状況下において、油はさまざまな使われ方をされていること、利用範囲は広いと改めて感じた。

日清オイリオグループは「ニーズ協働発掘型営業」に取り組み、その中でユーザーニーズに対応した機能をもつ商品「吸油が少ない長持ち油シリーズ」の販売に注力。「炊飯油」や「炒め油」など機能性油の提案にも取り組んだ。

――今期の営業戦略について

外食をはじめとしたユーザーの「売上回復」と「コストの抑制」の課題解決、この2つがテーマだ。

まず「売上回復」の解決に向けた一番のベースは店舗に来店客を戻すこと。そのためにはテイクアウトなどで、どれだけ売上補完できるかも重要だ。消費者が家庭で喫食する時までおいしさを維持したい、そのようなユーザーニーズに応えられる商品として「炊飯油」を提案している。4月からは、テイクアウトでは難しいとされていたパスタメニューへの対応品として「オリーブパスタオイル」も販売した。

さらに、来店客が戻った時には、本格的なメニューを少ない人手でも簡単に提供できる風味油「日清素材のオイルシリーズ」を提案するなど、消費者の動きにあわせたユーザーニーズに商品戦略でも応えていく。

食味を長持ちさせる、味を良くする、作業性を向上させることに加え、コロナ禍ではメニューで来店客を戻すため、あるいは変わったメニューを出して目を引くため、これら風味油や調味油のニーズはあると考える。

もう一つの課題「コストの抑制」に向けては、油の使用量を抑えられる「吸油が少ない長持ち油シリーズ」を引き続き提案していく。

今期、原料コスト高騰に伴い発表した2回の「価格改定」への取り組みをしっかり進めるとともに、ユーザーの課題に向き合い、消費者動向を踏まえてともに考えて提案していく「ニーズ協働発掘型営業」をさらに推進していく考えだ。

〈取引先に対して丁寧な説明で価格改定を実行〉
――2021年4月、6月の価格改定について


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4月、6月の2回の価格改定はしっかりと取り組んでいく。付加価値化の提案のためにも、原料コストの高騰を吸収することが必要だ。2020年は原料相場が落ちついていたが、20201年1〜3月はコストが上昇し、バルクは値上げできているが、業務用はそのままだった。

その遅れ分も含め、4月からの価格改定を発表した。さらに6月には2回目の発表をしたが、それでも十分とは言えない。ただ、まずは2回の価格改定をしっかり行うことが、今年度の最初の取り組みの柱になる。

4月からのキロ20円、斗缶300円の価格改定については、概ね了解をいただき、実際にその価格で動き出している。ここ数年なかったくらいの手応えで、それほど原料コスト環境が厳しい状況だということをユーザーにも理解してもらえている。

――3回目の値上げの可能性は

7〜9月までの間は、コストが下がる可能性はなく、年末までは大きなトレンドの変化はないだろう。もともと期初在庫が少なく、多少需要が落ちようが変わらない。

日清オイリオグループの姿勢として、ある程度コスト状況が見えてきた中で価格改定の発表を行った。4月と6月に分けたのは、1月末の時点では間違いなく上がると算出したコストがキロ20円だった。その時点でもさらに上昇すると考えていたが、目論見だけでは発表できない。

それと同様に6月からの値上げは7月以降のコストを見越したものではない。まだそこまでのコスト状況がはっきり見えておらず、現在は2回目の値上げの商談の最中だ。

ただ、7〜9月のコストの反映分の価格改定の案内はどこかで行わなければいけないと考えている。

〈大豆油糧日報2021年4月27日付〉