三菱地所、農林中央金庫、日本経済新聞社・日経BPなどで構成する「大丸有SDGs ACT5実行委員会」は10月29日、「サステナブル・フード」をテーマとしたイベント「サステーブル」第4回を、「地球のサステナビリティを高める新しい食文化」を対談テーマに、「MY Shokudo Hall&Kitchen」(東京都千代田区・常磐橋タワー)とオンラインで開催した。生産者、料理人、消費者が集まっておいしさを共有することで、未来へのアクションに繋げることが目的だ。

当日は、プラントベース食品の新しい食材を展開するメーカー3社(ゼンブ ジャパン、DAIZ、ミヨシ油脂)が製品開発の背景や紹介、今後の展開などを紹介した。また、奥野義幸シェフ(リストランテ・ラ・ブリアンツァ)による、3社の製品を使った植物性100%のパスタ、カレーの試食が提供された。

始めに、ミツカングループ・ゼンブ ジャパンの長岡雅彦マネージャーは、ミツカンが開始したBtoC通販専用ブランド「ZENB(ゼンブ)」について、「ミツカンは、『未来ビジョン宣言』において、おいしくて健康に良く人と地球の健康も考えていくべきだと方向性を発表した。その象徴になるのがゼンブブランドであり、植物の普段食べない部分も含め可能なかぎり丸ごと使っている」とした。
ミツカングループ・ゼンブ ジャパン 長岡マネージャー

ミツカングループ・ゼンブ ジャパン 長岡マネージャー

 
2020年9月には「ゼンブヌードル」を発売し、「糖質制限、ダイエット、グルテンフリーによりご飯や麺をがまんしている人が増えており、安心して食べられて健康になる新しい主食を作りたかった。食物繊維、たん白質が多く、糖質オフな黄エンドウ豆を使用している。薄皮までまるごと使い、豆ならではのおいしさを活かした」と紹介した。 
 
〈オールジャパンで植物肉盛り上げる、プラントベース食品100%メニューに参加者から驚きの声〉
続いて、DAIZの河野淳子取締役は、「世界で植物肉が発展したのは、プロテインクライシス、中国を筆頭に豚コレラ、鳥インフルエンザによる肉の価格高騰、SDGsなどが背景にあると考えられる。一方、日本はまだまだ植物肉市場が広がっておらず、粒状たん白質は臭みがあり食感がない。植物肉の発展には異風味の低減、肉様食感の再現が必須だ」とした。

DAIZ 河野取締役

DAIZ 河野取締役

 
その上で、同社の植物肉は、大豆そのものを独自技術「落合式ハイプレッシャー法」で発芽しうま味を増大させ「ミラクルミート」の開発に成功したと話した。そのほか、アライアンス状況などを紹介し、「オールジャパンで植物肉を盛り上げていきたい」と意気込んだ。
 
ミヨシ油脂の志田政憲食品本部企画部部長は、動物脂のおいしさをプラントベースで創り出した油脂「botanova(ボタノバ)」について紹介し、「食糧問題や環境問題などを背景に、今後ますますプラントベース食品は盛んになるだろう。しかし、風味面で課題があると思うが、油脂はおいしさを創り出すことに役立てる。当社はリーディングカンパニーとしてラードや牛脂を取り扱ってきた。また、バター様マーガリンを製造してきて、香味成分や呈味成分の分析を日々行っており、これらの技術を合わせ、『植物のおいしさ バター風味』、『ラード風味』を作り出した」と話した。加えて、すべて植物由来でヴィーガン認証を取得したほか、SDGsにも関連するRSPO認証油を使用し、安全・安心の担保をコミットメントしていると述べた。

ミヨシ油脂 志田部長

ミヨシ油脂 志田部長

 
最後に、DAIZの代替肉、「ボタノバ」を使ったボロネーゼ(ゼンブヌードル使用)、キーマカレーを試食した参加者からは、「プラントベースとはにわかに信じられず、普通の肉を使ったメニューのようでおいしかった」と感想が寄せられた。
 
〈大豆油糧日報2021年11月2日付〉