ヤマダフーズ “食感”で楽しむ納豆新商品、「離乳食・介護食の開発も進める」/山田伸祐代表取締役インタビュー

ヤマダフーズ 山田伸祐代表取締役
ヤマダフーズ(秋田県仙北郡)は、昨今の納豆市場活性化のけん引役であるフレーバー系納豆の先駆者であり、今春も話題性のある新商品投入で、健康志向を背景に堅調な納豆市場を更に盛り上げる考えだ。また、フリーズドライ(FD)納豆の設備増強により新たな需要開拓や、離乳食、介護食向けにも注力する。

――上期(21年9月~2月)業績と商品動向について

納豆事業は、市販用は好調を維持し、業務用についても出張や観光が回復し、コンビニや外食向けの出荷で明確な改善兆候が見られ、前期比2ケタ増の進捗となっている。納豆事業トータルで、上期はプラス着地の見込みだ。

納豆市場は、しょうゆたれ以外のフレーバー系がここ2年伸長している。外食が控えられる中、少しでも外食気分を味わいたい、納豆の喫食頻度上昇に伴いレギュラータイプ以外も楽しみたいというニーズがあるのではないか。また、コロナ禍でレシピサイトやユーチューバーによる料理動画の閲覧者が増え、その延長で、ご飯にかける以外の納豆レシピも広がったと思われる。

フレーバー系は当社が得意とする分野で、2022年3月には春夏商品として、クランチ状の「柿の種」とラー油のような味わいのたれを添付した、おつまみ感覚で食べられる納豆を発売する。今まで市場にあまり無かった「食感で楽しめる納豆」を狙い、20~30代の若年層をターゲットとしている。SNSなどで話題喚起につなげたい。その他、2021年3月に発売し好評だった「スパイシーカレー納豆」を、カレーパウダーを増量し、より風味が感じられるようにリニューアルする。

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豆腐では、手軽に料理の1品になる「大人のひとさら」シリーズ(充填豆腐150gとたれのセット)は、簡便・即食トレンドに対応している。春夏新商品は、具材たっぷりのめかぶや、お酢の消費量伸長に着目し、ねぎの食感が楽しい黒酢たれを添付した2品を発売する。

〈FD納豆で新たな需要開拓、加工食品や海外輸出に可能性〉
――今後、注力していく取り組みは

ひきわりよりもさらに細かいロングセラー商品「超・細か~いきざみ納豆」のプロモーションをテコ入れし、離乳食・幼児食に適していることの情報発信を強化する。今年は、これから母親になる方などが来場するマタニティフェアなどにも出展する予定としている。離乳食・幼児食として納豆は広く使われているが、既存商品での手間や不便を解消すべく新商品を開発中だ。高齢者向けのやわらか食・介護食向け商品の開発にも取り組んでいる。高齢者の方は納豆好きな方が多く、食は細っても1週間当りの納豆消費量は多い。納豆にはビタミンK2も豊富に含まれるので、末永く召し上がって頂ける商品を開発したい。

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2022年2月には、FD加工設備を稼働させる。内製化により、FD納豆の生産能力は3倍に向上するため、即席麺の別添などとして、加工食品メーカーの需要を開拓したい。小袋入りにすることで、今まで食品メーカーで活用が進まない要因だった納豆菌のハードルをクリアし、機能性や栄養成分はそのままに、納豆を使って頂ける。

また、FD納豆を菓子に加工すれば、粘り、臭い、賞味期限の短さ、冷凍物流などの課題を解消でき、海外でも可能性があると考えている。

――原料高騰などコストアップが直撃しています。価格転嫁の考え方は

納豆に関しては、家庭用・業務用ともに、春先からの価格改定の商談を始めている。輸入大豆高騰の影響が最も大きいが、国産大豆についても、近年の天候不順で相場が上がり、当社で使用量が多い品種も値上がりした。加えて、原油高に伴う容器・フィルムの値上げ、人件費や物流費の上昇など、自助努力で吸収できない状況のため、価格転嫁に踏み切らざるを得ないと判断した。関係各位には諸事情へのご理解を賜りたい。これらの状況から、豆腐製品についても、3月1日納品分からの価格改定について商談を始めている。

〈大豆油糧日報2022年2月18日付〉