ファミマ「新型コーヒーマシン」6月2日から順次導入、豆の挽き目が9段階に

ファミリーマートは「FAMIMA CAFÉ」のコーヒーマシンを刷新し、6月2日から全国の店舗に順次導入している。2026年5月をめどに全国で設置を完了する。マシン導入前後で、売上げ2ケタ伸長を目指す。
提供可能なメニュー数が従来の16品から34品へ大幅にアップし、これまではボタン式だったメニューをタッチパネルに変更することで、都度新たなメニューの追加が可能となった。タッチパネル操作はシンプルなものにし、また価格も従来通りだ。
6月2日、東京・芝浦の本社で鍵浦信商品本部FF部副部長と共同開発者である、バリスタ粕谷哲氏が会見を行った。
同社のコーヒーは2013年から導入、「FAMIMA CAFÉ」は2020年から世界No.1バリスタである粕谷哲氏とコーヒーを共同開発しており、累計で17.3億杯を突破した。粕谷氏と専用ドリップマシンによる相乗効果で昨年は過去最高の売上まで成長している。
今回の新型コーヒーマシンのポイントは、業界初である挽き方調整グラインダの導入であり、開発に約4年を費やした。
従来のマシンでは豆の挽き目は1段階のみだったが、モータードライブを搭載した業界初の挽き方調整グラインダを導入することで、豆の挽き目を9段階に挽き分けることができるようになり、専門店のようにメニューごとに最適な粒度を設定することが可能になったとする。

粕谷氏のハンドドリップを再現するために抽出方法も変更しており、豆から均一にコーヒーを抽出できるようにお湯のかけ方や攪拌方法を改良した抽出機構を開発した。
メニューも進化し、ブレンドコーヒーでは細かい粒度で濃い味にするなど、コクとキレが3段階で選べる。カフェラテも、「コーヒー好きのためのコーヒーリッチラテ」など比率を変えた選択が可能だ。ミルクも独自のものを使用し、よりコーヒーとミルクの一体感のある味わいを感じられるという。
今年「アイスモカブレンド」が2025年モンドセレクションにて、コンビニカウンターコーヒー史上初優秀品質金賞を受賞したが、新型コーヒーマシンでもそのコーヒー豆・美味しさ・味わいは変わらず楽しめる。
現在のコーヒー市場を取り巻く環境は従来のマシンを導入した2018年当時と比較すると大きく変化している。高品質なコーヒー豆が気軽に手に入るようになり、飲み方が多様化し、嗜好品としての好みの幅が広がった。新型コーヒーマシンは様々な嗜好に対応できる、その時に飲みたい味わいを選べる仕様へとアップデートした。
粕谷氏は「バリスタがカフェでやっていることを再現できる機能は画期的なもの。均一に抽出するという美味しいポイントにより、その豆で表現したい味わいをカップで表現できる」と自信を語った。
今回の新型コーヒーマシンは、2025年6月から大阪・関西万博店と都内の店舗から設置を開始する。ファミマのアプリでのお得な回数券や、「モカブレンド」がお礼品で引き換える「ファミマふるさと納税」など新しい取り組みも始める。