日本食文化の海外展開へ GFVC推進官民協議会がセミナーを開催 / 農水省がインド・インドネシアの最新状況を報告

農林水産大臣政務官・広瀬建氏
農林水産大臣政務官・広瀬建氏

〈食産業の海外展開に向けた産学官の連携〉

GFVC推進官民協議会は2月27日、農林水産省にて「日本食文化産業の海外展開」をテーマにセミナーを開催した。GFVCは「グローバル・フードバリューチェーン」の略称で、産学官が連携して日本の食産業の海外展開を推進するために発足した協議会だ。

農水省からは農林水産大臣政務官の広瀬建氏をはじめ、小宮恵理子氏、大川幸樹氏が登壇し、協議会の活動を報告した。

民間企業からは株式会社トリドールホールディングスの草野篤氏らが登壇し、外食産業を中心とした海外展開の知見を共有。研究機関からは早稲田大学教授の深川由起子氏が参加し、セミナー全体についての講評を行った。

〈2030年目標 「海外から稼ぐ力」の強化〉

農水省は「食料・農業・農村基本計画」(令和7年4月11日閣議決定)において、輸出拡大、食品産業の海外展開、インバウンドによる食関連消費の3本柱で2030年目標を設定し、「海外から稼ぐ力」の強化に注力している。

2030年の具体的な数値目標は以下の通りだ。

〈1〉農林水産物・食品の輸出額
1.5兆円(2024年) → 5兆円

〈2〉食品産業の海外展開による収益額
1.6兆円(2022年) → 3兆円

〈3〉インバウンドによる食関連消費額
1.6兆円(2023年) → 4.5兆円

今回のセミナーでは、目標〈2〉にあたる「食品産業の海外展開」が議題の中心となった。

〈インド・インドネシア視察から見える課題と可能性〉

農水省・国際情報分析官の大川氏は講演において、2025年度に実施したインドおよびインドネシアへの現地視察ミッションの結果を報告した。

農水省、輸出・国際局 海外需要開拓グループ 国際情報分析官 大川幸樹氏
農水省、輸出・国際局 海外需要開拓グループ 国際情報分析官 大川幸樹氏

インドについては、食に関して保守的であり、東南アジアの他都市と比べても飲食店の数が少ないと指摘。日本食は駐在員向けが主流で、現地の富裕層の一部に親しまれている程度だという。今後の課題として、未整備な都市間物流や、ベジタリアン層への対応が挙げられた。

一方のインドネシアは、日本食レストランが6,580店舗で東南アジア1位と多く、イギリス(1,823店舗)、フランス(3,390店舗)、イタリア(2,160店舗)といった欧州諸国と比較しても際立って多いことが紹介された。現地でビジネス・マッチングを実施した際にも12社のインドネシア企業が参加し、商談も活発だったという。
課題としては、イスラム教徒の多さに伴うハラール認証への対応が不可欠だとした。

報告で発表されたインドとインドネシアの基礎指標は以下。

インドとインドネシアの基礎指標
インドとインドネシアの基礎指標

GFVCは、2026年度にベトナムとマレーシアへの現地ミッション派遣を検討している。大川氏は「今後も最新の情報を届けつつ、日本の食産業の海外展開を後押ししていきたい」と結んだ。

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昭和26年(1951年)3月1日
発行:
昭和26年(1951年)3月1日
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