ペットコーヒー後発の「ファイア ワンデイ ブラック」が売れたわけ、オンタイムのニーズつかんで躍進

キリンビバレッジ「ファイア ワンデイ ブラック」(左=4月14日リニューアル後の新デザイン、右=現行商品)
キリンビバレッジの「ファイア ワンデイ ブラック」(600mlPET/138円税別)がペットボトルコーヒー市場で健闘している。

「ファイア ワンデイ ブラック」は、2019年4月の発売から約11カ月で8000万本(333万箱)を超える販売数量となり、ペットボトルのブラックコーヒー市場の間口を拡大。発売当初は、他ブランドの商品(500ml)よりも多い600mlの容量と、マツコ・デラックスさんのCMで注目された同商品だが、そのインパクトだけにとどまらず、仕事時のオンタイム飲料として、飲料のボリューム層である40~50代男性の支持を得たことが成功につながった。

先行していた競合のペットボトルコーヒーは、飲みやすさとスタイリッシュな容器により、20~30代の若年層と女性を取り込んだことで市場を拡大してきた。「ワンデイ ブラック」が40~50代男性ユーザーの支持により売り上げを伸ばしたことは、ペットボトルコーヒーの市場拡大において、新たな可能性を感じさせるものとなった。

「ファイア ワンデイ ブラック」の味覚は、コーヒー感があり、香りが高く、“常温でもおいしい”コーヒーであることが訴求ポイント。パッケージは、銀色の背景と黒い帯で落ち着いた感じに仕上げている。特に、仕事中のオンタイムに選択されているという。リピート率46%は、過去2年間で発売されたブラックのペットボトルコーヒーの中で最も高いというデータもある(SCI調べ、発売7カ月時点)。

〈リニューアルでスッキリ、よりオンタイムに合った味覚に〉
キリンビバレッジのマーケティング部で同商品を担当する増田健志さんは、「『ファイア』ブランドは、“頑張りたいとき、お客様に一番選ばれるコーヒーになる”ことを、ビジョンにしています。チカラが欲しい時、お客様に前に進む勇気を与えられるブランドを目指します」と語る。

4月14日からは、「ファイア ワンデイ ブラック」の味覚とパッケージをリニューアル。香ばしさの特徴はそのままに、スッキリの味覚を実現し、よりオンタイムに合った味覚にするという。パッケージは、コーヒー豆の訴求を強くし、火のロゴを立たせることで、ブランド訴求を高めるとともにおいしさを表現する。