ワイン酵母つかった麦焼酎「白猿」、業界活性化期待の大型商品-小正醸造

小正醸造は9月7日、大型新商品のワイン酵母をつかった麦焼酎「白猿(しろざる)」を発売する。甘く気品のある香り、優しく包み込むような味わいとキレが特徴の商品で、すでに試飲した業界関係者からは、「長らく話題不足といわれていた焼酎業界を、もう一度盛り上げるようなもの」と期待する声が高まっている。

最大の特徴はワイン酵母にあり、果実のような香りを最大限に生かし、「従来には無かった味わい」を訴求した。また、発酵の後半を低温で経過させることで、醪中への果実のような香りの生成を促した。低温発酵で熟成した醪は減圧低温蒸溜することで、原料由来の強い個性を抑え、果実香を引き立たせた。さらに、一般的な麦焼酎の仕上げ工程で行うイオン交換処理を行っていないため、ワイン酵母が生成した香りがしっかりと残っているとする。

グラスを近づけた際に感じられる、熟した果実のような濃醇な甘香と優しい口当たり、喉を通した後に余韻として広がる豊かな香りと後キレの良さが楽しめる。

ターゲットは、▽若年層を中心に本格焼酎を飲み慣れない人(もちろん、女性にも)、▽麦焼酎愛飲者のさらなるステップアップ品として、▽芋焼酎ユーザーの麦焼酎へのトライアル品として、▽日頃、蒸留酒を飲まない醸造酒(ワイン等)ユーザーへのスピリッツチャレンジとしてお勧めしたいという。

ワイン酵母を使用したことで、従来の同社麦焼酎と比較して、約4倍の酢酸イソアミルが検出されたという。酢酸イソアミルは、発酵中に酵母が産生する成分で、果実のような芳香を呈する。新商品「白猿」の全面に感じられる、まるでバナナやメロンを思わせる濃醇な果実のような甘い香りの指標となる数字のことで、商品の特長を裏付ける高い数値であることがわかった。