2Q牛肉生産量は前年比微増に転じる、豚生体価格50ドルに下落-UsDA

米国農務省が15日に発表した食肉需給予測によると、第2四半期から第4四半期の牛肉生産量は前月発表予想と比べて各期とも上方修正され、第2四半期は前年同期比0.9%増と前回予想のマイナス(0.8%減)から昨対増に転じた。肥育保留によって出荷重量が増加しているため。豚肉生産量は第1~2四半期こそ下方修正されたものの、第3四半期以降は上方修正され、年間では6.1%増加(前回は5.6%増)に。鶏肉生産量は前回予測と変わらないが、輸出量は鳥インフルエンザの発生に伴う相手市場の輸入禁止によって下方修正され、第1~2四半期は2桁台の落込みとなっている。

[牛肉]比較的安価に推移するトウモロコシ価格や歴史的に少ないフィードロット飼養頭数を背景に、肥育業者は出荷重量を増やすため出荷を保留しており、またパッカーは季節需要による卸売価格の値上がりにつれて高値で生体を買い付ける状況となっている。このため、第2四半期以降の生体価格は去勢牛・肥育素牛ともに各期とも前回予想よりも値上がりし、100ポンド当たり160ドル後半の水準で推移するもようだ。一方、牛肉輸出は生産価格の高騰や米ドル高の影響があるものの、年間では24.2億ポンドと前回予想から2千万ポンド増加している。輸入も国内供給不足と米ドル高を受けて29.1億ポンド(前年比1.3%減)が見込まれている。

[豚肉]PEDv対策が奏功し繁殖用母豚数や1腹当たりの産子数が回復したことによって、第3四半期以降も肉豚生産量はさらなる拡大が予想されている。この結果、15年の豚肉生産量は242.4億ポンド(前年比6.1%増)となり、PEDvの影響を受けていなかったとみられる13年の生産実績に対しても4.5%上回っている。この結果、豚生体価格は高騰した前年から大きく値下がりし、年間平均で49.5ドル(中値)と、06~09年の40ドル台に緩む見通しだ。第2~3四半期の豚肉輸出量は前回予想と変わらず、第4四半期がやや下方修正された。

[鶏肉]生産量は前回予想と変わらず。第1四半期の生産量は97.3億ポンドと前年同期を4.8%も上回った。第2四半期以降も前年を上回る生産が続く見通し。鶏肉輸出は、ロシアの輸入停止の継続に加えて、米ドル高や鳥インフルエンザ発生の広がりに伴ってアジアやアフリカ、中東向け輸出が減少したことで輸出は各期とも下方修正されている。