4月の牛肉需給展望 GW向け動くが和去A3で2,550円前後と比較的小幅な上昇

[価格見通しなど]4月は花見需要や歓送迎会などイベント需要に続き、後半は大型連休に向けた手当ても入る。枝肉相場もさらに上昇すると見られるが、円高の中での米国産牛肉の輸入状況や末端価格との関係で極端な上昇は考えづらく、100円前後の上昇と見込まれる。

16年3月の東京食肉市場の規格別の価格(生体、消費税8%込み)は、和去A5で前月比9円高の2,841円、A4は同額の2,619円、A3は3円高の2,469円とほぼ前月並の水準となった。しかし、交雑去勢B3は63円高の1,645円、B2で55円高の1,438円と、2月に下げた交雑種が再び上昇した。また、乳去B2は22円高の1,073円となった。

不需要期の3月の中で、安価な商材が販売の中心となり、和牛がほぼ前月並となった一方で、比較的安定して出荷され、価格も下げた交雑種に買いが入ったと考えられる。また、店頭では、焼材のスペースが大きくとられる中、米国産、豪州産とも品不足だったため、代替として交雑種が買われた。2月は、交雑種、乳用種から輸入牛肉へのシフトがあったが、逆に3月は品不足の輸入牛から一部は交雑種に戻ったと見られる。

4月の見通しでは、供給面では農畜産業振興機構の予測によると、成牛の出荷頭数は3.5%減の9万2,400頭、と畜場稼働日の関係で1日当たりの出荷頭数では1.3%減と見込まれる。一方で、米国産牛肉は、現地相場が落ち着いたことと為替の円高で3月までの玉薄から比較的潤沢に入ってくると見込まれる。需要面では、花見、歓送迎会とイベントが続き、後半は5月の大型連休に向けた手当ても入る。店頭では、焼材販売が本格するとともに、米国産ショートプレートなどの価格も落ち着いたことで輸入牛肉の切落しも増えると見込まれる。またイベント需要ではヒレやサーロインなどの高級部位も一定程度の引き合いが入るもよう。

これらを勘案すれば、国産枝肉相場は極端な上昇は考えづらく、月間平均では、和去A5は2,950円前後、A3で2,550円前後、また交雑去勢B2は1,550円前後、乳去B2は1,150円前後と100円前後の上昇となる見通し。