〈ムネは弱もちあい、手羽元、ササミは需要鈍く弱気推移か〉
昨年12月の鶏肉需給は例年通り、モモ正肉中心の展開となった。

月前半は鍋物需要が弱く、後半は気温が低下したことで荷動きが良くなったものの、相場安の豚肉(国産・輸入)やローストビーフなど他の畜種との競合もあり、一昨年のような活況はみられなかった。

実需というよりも、一部産地での増体悪化など供給要因から相場はジリ高となり、12月平均相場(農水省:統計部)は、モモが前月比25円高の631円(前年同月比26円安)、ムネで同3円高の290円(32円安)となった。日経・加重でも12月平均はモモで前月比32円高の619円(26円安)、ムネで同5円高の279円(38円安)となっている。

1月も寒波の到来や3連休で鍋物需要が期待され、正月休み明けの節約志向も高まるため、モモに関しては月半ばごろまでは需給バランスが取れた展開が続きそう。中旬以降は末端消費も鈍ってくるため、需給は緩み加減の展開となるものとみられる。また、400円台前半の相場が続く豚肉との競合も強まるものとみられる。
 
[供給見通し]

農畜産業振興機構の鶏肉需給予測によると、1月の鶏肉生産量は前年同月比0.4%減の13万600t、輸入量は同6.4%減の4万5,200tと予測している。また、日本食鳥協会の生産・処理動向調査によると、1月は全国的に処理羽数が前年を上回るものの、処理重量が昨対割れの地域もみられている。ただ、気象庁が発表した12日から2月11日までの1カ月予報では、西日本を中心に今月中旬は平年よりも暖かい気温となるとしており、増体率の回復も期待されるところ。

輸入品は、機構が発表した昨年11月末の期末在庫が13万7,763t(前年同月比8.7%減)となっている。中国市場の買いの動きや現地パッカーの減産態勢など、ブラジル産先物には不透明感が強く、国内在庫のなかにはヒモ付きも含まれていることを考えると、過剰在庫とは言い切れない。1月の輸入減少と合わせて、輸入鶏肉の玉薄感は一層強まってくるものとみられる。これが今後の鶏肉全体の需給にどう影響してくるか注目されるところ。

[需要見通し]
年末年始はモモ正肉中心の末端需要となったが、この状況は1月中旬頃まで続きそうだ。とくに長めだった正月休みによる出費増と成人式などのお祝いなどの反動で、例年1月から2月にかけて節約ムードが強まる時期となるため、中旬以降の需要は弱気の展開となりそうだ。そのほか、ムネは加工原料需要も期待されるが、ササミや砂肝などの副産物は、冷凍品との競合も予想される。輸入鶏肉は、一部量販店での特売需要も見込めるが、大きな伸びはないとみられる。

[価格見通し]
12月の相場は、ムネはもちあい絡みとなった半面、モモは右肩上がりのジリ高に推移した。1月中旬ごろまではモモは現状の650円前後の相場を維持するものとみられる。ただ、中旬以降は出荷も潤沢となり、これに対して末端需要は鈍ってくるため弱気に転じる可能性が高い。モモの月間平均は640円前後か。ムネは、基本は横ばいだが、荷受けによって荷動きや在庫にバラツキもみられ、「何とか回っている」という状況で、ムネ相場は280円前後と弱もちあいの展開となりそうだ。副産物では、手羽元も一昨年ほど強くはなく、ササミの動きは引き続き鈍いため、手羽先、ササミも弱気推移となりそうだ。

輸入品は、先物不安から手前で在庫を確保しようとする動きが強く、輸入商社も慎重な買付けをせざるを得なく、仲間相場は前月に引続き強気の展開となっている。年明け後のブラジル現地オファーも前述の要因から限定的で、今後のオファー次第では新年度のポジションは玉薄感が強まることも予想される。

〈畜産日報 2019年1月11日付より〉