〈出荷動向の不透明も、上物税抜で450円前後の展開か〉
年明け最初の初値を税抜き397円(東京市場:前年比96円安)でスタートした1月の豚枝肉相場だが、年末年始の休みが長かった分、年明け以降の在庫が少なめだったことや、枝肉重量の増加で上物率が低下したことなどからその後は430円台まで回復した。ただ、中旬以降は輸入品との競合も強まり徐々に失速し、再び400円を割る展開となった。そのなかで、下旬にかけて出荷頭数も少なくなり、1月最終週には再び440円台まで上げてきた。結果、1月の東京市場の平均相場は、上で税抜き415円(前年同月比48円安)、中で382円(同51円安)となった。農水省によると、2月の全国の肉豚出荷は前年並みの129.4万頭と予想しているが、過去5年平均比では2%下回る。気象庁の季節予報によると、2月は北海道と東北地方を除いて平年よりも気温の暖かい日が多いとされているが、朝晩の寒暖差の激しさなど増体への影響も懸念される。関東の一部地域では、PED(豚流行性下痢)の発生で特別防疫対策地域に指定されるなど疾病のリスクも拭えない。2月の相場は出荷動向によって大きく左右されるといえる。不透明感が強いものの、基本的には月前半は堅調、後半はジリ下げの展開が予想され、月間平均では上物税抜きで450円前後と予想する。
 
[供給動向]

農水省が1日に公表した肉豚生産出荷予測では、2月の出荷は前年並みの129.4万頭、過去5年平均比では2%減と予測している。19日間稼働の場合、1日当たり6万8,105頭となり、前年同月よりも300頭強わずかに下回る見込みだ。また、農畜産業振興機構の需給予測では、2月の出荷は129.1万頭(0.7%減)、豚肉生産量は7.1万t(0.7%減)と、農水省の予測よりもやや辛めに見ている。1月は枝肉重量が大きく、上の重量範囲を超える枝肉が散見されたが、未だに地方のパッカーでも2~3kgほど重量オーバーの枝肉が出ているようだ。ただ、上述の通り、北海道・東北以外は平年よりも暖かい日が多いと予想されており、この枝重の傾向は継続すると予想される。農畜産業振興機構の需給予測では、2月のチルドポークの輸入量は3.3万t(前年同月比10.5%増)と予想している。ただ、折からの北米産の通関遅れが続いているなかで市中在庫もタイトになっており、スポットで国産の引合いが入る可能性もある。
 
[需要動向]

2月は需要の端境期となるが、スーパーでは決算月のところも多く、決算セールなど売上げをつくるため国産物の販促が強まるとみられる。また2月上旬は受験シーズンによるトンカツ需要で、ヒレ、ロースの引合いも期待される。一方、これまで堅調だったバラの荷動きにやや落ち着きがみられるとの声も。4日には北陸地方で「春一番」が吹いたが、今後の陽気次第では鍋物商材の売行きにも影響が及びそうだ。ただ、下旬にかけては末端サイドも在庫を抱えるのを控えるため、需要は鈍ってくるとみられる。前年は凍結在庫が少なかったため、中間流通もスソ物をはじめロース、カタロースなど不振アイテムを凍結に回すことができたが、今年はウデやロースなど凍結在庫を抱えている企業も多い。現状、ウデやモモで300円台の案内など価格次第では動く状況となっており、凍結回しによる相場の下支え効果は薄く、生鮮で売り切る動きが続くとみられる。
 
[価格動向]

1日の東京市場の相場は上物税抜きで437円、前年比39円安でスタートした。2月前半は出荷・上場頭数が少ないとみられ、税抜きで470円を超えてくる可能性を指摘する関係者もいる。ただ、連休以降は、決算セール以外はこれといったイベントもないことから、末端需要は減速し、気温によってはバラなどの動きも鈍化し、400円前後までジリ下げの展開が予想される。このため、月平均価格としては上物税抜きで450円前後(税込み490円前後)と、前年より10円ほど上回るとみられる。

〈畜産日報 2019年2月5日付〉