〈2020年3月期第1四半期は苦戦も、「下期はさまざまな策を打つ」/中津濵健会長兼社長〉
スターゼンの中津濵健代表取締役会長兼社長は8月9日、同社のローマイヤレストラン銀座店で記者会見し2020年3月期第1四半期決算の概要と今後の方向について説明した。会見には、永野章代表取締役副社長、寺師孝一専務取締役、横田和彦常務取締役、中野剛経営企画部部長が参加した。

同社の2020年3月期第1四半期は、売上高は0.5%増の861億3,300万円だったものの、経常利益は2.6%減の14億8,500万円と増収減益となった。これに対し中津濵社長は、「苦戦した第1四半期だった。要因は、取扱量、売上高は微増だったものの、厳しい環境の中で粗利益率は横ばい、その一方で販管費が増え、営業利益を落とした。運賃上昇を転嫁できず、また昨年、ハンバーグ工場(福島県・本宮工場)が完成し取扱量、売上高ともに前年同期を上回ったものの新工場などの費用負担を十分回収できず利益面で苦戦したことが挙げられる。ただ、当社は夏場以降、下期に稼ぐ会社であり、消費税の増税がある中で気を引き締めて臨む。悲観的にはならず、さまざまな策を打っていく。トラック便を自社で有すが、運賃分を確実に回収していくような努力をするとともに働き方改革を行い、社員にとって働きやすい環境を作り、ひいては社員が頑張り利益をあげる形を整えたい」と総括した。

今後のポイントでは、海外事業における中国での合弁企業について、「三井物産と現地企業によるジョイントベンチャーで立ち上げた三創商貿易(深セン)有限公司が9月から事業をスタートする予定。伸長する中国の食肉需要に対応するため、長年築いた海外産地パートナーとの関係を活かし輸入牛肉をはじめ、輸入食肉などの供給を行っていく。将来的には、中国での和牛輸出解禁も視野に入れている。また日本のマーケットだけではなく、三国間貿易などといった形で積極的に進めていく。すでにタイではそういうスターゼンのビジネスモデルの取り組みが始まっている」と決意を述べた。

加工食品事業では大塚食品との“ゼロミート”の取り組みについては、「ようやくスタート台に立ったところで、少しずつ浸透させていきたい。大塚食品とのパートナーシップは当社にとって新たなビジネスチャンスだと考えている。コンシューマー用がうまく軌道に乗れば、業務用でもマーケットを広げていける」と期待を示した。

その上で、「第1四半期の結果には満足していない。環境は決して良くないが、これは当社だけではない。社員が働きやすい環境を作り頑張ってもらい、きちんと稼ぐような方向にもっていく。国内の工場はほぼ体制が整ってきた。今後は、国内工場は安全・衛生を中心にして整理していき、さらにスターゼンらしい工場にしたい。国内の処理工場は、厳しい環境が見込まれ、安全・衛生面でさらに要求が強まると考えている」と述べた。

質疑では、中国での合弁事業について、「中国へ輸入食肉を供給するが、スターゼンのビジネスモデルを現地で進める。人も派遣し、スターゼンのスキルを活用する。これは将来に向けての投資といえる。中国国内ではアフリカ豚コレラで豚の再生産は難しく、海外調達しかないと考えられる。その中で、当社のビジネスモデルが活かせる。さらには将来、和牛の輸出も見据えている」。ハンバーグ関連では、「現在、販売部門と製造部門が緊密に連携し、ターゲットを決め拡販を進めており、成果が出はじめている。その中で各営業所(全国50カ所)が販売するスターゼンブランドのNB(ナショナルブランド)商品が伸びている。このNBの部門は業務用が中心だが、上期で150%を超す勢いだ。一方、天候不順などで大手外食向けが思ったより伸びていない。工場の稼働安定へ、NBの構成比を上げるなど修正の計画を立て下期に臨む。NB商品の拡販では、ここに来て各営業所に力が入ってきたところだ」と述べた。

〈畜産日報 2019年8月19日付〉