農水省は9月26日早朝、安倍総理と米国のトランプ大統領が日米貿易協定で最終合意したことを受け、同協定の農業分野での内容を発表した。牛肉はTPP11と同じ内容で関税を削減するとともに、2020年度24.2万tのセーフガードを確保した。これにより現行の関税緊急措置はTPP11対象国と同様に不適用となる。また豚肉もTPPと同じ内容で従価税部分は最終的に関税を撤廃、従量税部分は関税をkg当たり50円まで削減する。

江藤拓農水大臣は、「最終合意では、農林水産品の日本側の関税について、TPPの範囲内とすることができた。牛肉では、TPPと同内容の関税削減とし、2020年度のセーフガードの発動基準数量を、昨年度の米国からの輸入実績よりも低い水準とした。牛肉の輸出では、現行の日本枠200tと複数国枠を合体し、複数国枠6万5,005tへのアクセスを確保した」との談話を発表した。

合意の概要をみると、牛肉は現行の関税38.5%を2019年度26.6%に削減、その後、毎年引き下げ2033年度に9%まで削減する。セーフガード発動基準数量(米国からの輸入量)は、2019年度は発効日から年度末までの日数に応じた割合を24.2万tに乗じて算出、2020年度24.2万t、以後、TPPの発動基準と同様に増加し33年度は29.3万t。これを超した場合、19~20年度は38.5%に、21~27年度は30%、28~31年度は20%、32年度は18%に引き上げられる。なお、22年度上半期までに米国と協議し、それまでにTPP11協定が修正されていればTPP全体の発動基準に移行する方向で米国と協議する。

この牛肉の発動基準数量に関して農水省は、「20年度に発動基準24.2万tで合意したが、18年度の米国からの輸入量は25.5万tであり、米国としてはこれを下回る厳しい水準。なお18年度のTPP11の輸入量36.4万t、米国の25.5万tを足せば62.0万tであり、米国のシェアは41%となる。これは近年で最も高いが、今後、発動基準基準は41%より下の水準で推移する。2023年度には豪州などTPP11と協議し、全体の基準数量に移行することで合意を目指す」と説明した。

豚肉の概要は、TPPと同内容であり、現行4.3%の従価税部分を19年度発効後に1.9%、毎年引き下げ27年度に撤廃する。従量税は現行のkg当たり482円を19年度発効後に125円に引き下げ、27年度に50円まで削減する。従価税のセーフガードは、過去3年間の輸入量の最高値に19年度は112%、20~23年度116%、24~28年度119%を乗じた数量で、超えた場合は年度末まで関税を引き上げる。従量税の発動基準数量は、kg当たり399円未満の輸入量で、かつ米国とTPP11からの輸入量を含むTPP全体の数量とし、22年度は9.0万t、以降、TPPの発動基準数量と同様に増加し、27年度15.0万tとなる。

〈畜産日報 2019年9月27日付〉