畜産既存店売上は7%増、家庭内消費は堅調、月間通じて好調を維持/2020年12月スーパー販売統計

日本スーパーマーケット協会(JSA)などスーパー3団体が1月22日に公表した、2020年12月のスーパーマーケット販売統計調査(速報版:調査対象270社・8039店舗)によると、畜産の売上高は1352億4971万円となり、既存店では2019年同月比7.4%増、全店ベースでは2019年同月比8.7%増と伸長した。

2020年12月は忘年会の自粛やGoToの一時停止、年末年始の寒波予報などで年末を自宅で過ごす傾向が強まり、年始に休業を拡大するスーパーが増えたことで、とくに保存の利く商品が売上を伸ばした。結果、食品合計(既存店ベース、以下同)では9947億円・2019年同月比3.9%増に上り、生鮮3部門合計で3893億円・2019年同月比4.5%増となった。

カテゴリー動向によると、畜産では「年末・正月商戦では、ステーキやすき焼き用和牛など高単価商品を中心に好調とのコメントがある一方で、帰省客減少により売れ筋に大きな影響を受けた店舗もあった。外食自粛による家庭内消費需要の堅調が続き、月を通じ総じて好調に推移した」とした上で、「前年暖冬からの反動や青果の相場安を追い風に鍋物需要の引き合いが強く、豚肉や鶏肉が好調に。牛肉は国産、輸入問わず好調だった」としている。また、加工肉は家庭用が好調とするコメントが多かった一方、ギフトは好不調が分かれた。

JSA独自のマンスリーレポート(55社・4876店舗)によると、畜産の既存店売上高は797億5718万円で前年同月比8.0%増(全店売上高は818億4749万円・同9.3%増)だった。畜産品については、「牛肉、豚肉、鶏肉、挽肉の精肉すべてが好調。料理用途では気温の低下もあり、しゃぶしゃぶ肉が好調だった」とコメントしている。

〈2020年畜産既存店は8%増に食品全体で前年実績上回る〉
スーパーマーケット販売統計調査の2020年の年間実績では、畜産の売上高は1兆3595億2330万円となり、既存店で2019年比8.4%増、全店ベースで2019年比9.9%増といずれも増加した。

また、食品合計の売上高は10兆2599億9819万円(既存店ベース5.6%増)、畜産を含む生鮮3部門合計は3兆9604億1241万円(同7.5%増)となった。2020年は新型コロナウイルス感染拡大に伴う内食需要の高まりによる影響が大きく、食品全体で前年実績を上回る結果となった。

〈畜産日報2021年1月25日付〉