福岡の米粉麺レストラン、“100%米粉”の麺「BEIMEN」開発/遠賀屋糀こめのはな

米粉乾麺「BEIMEN」イメージ/遠賀屋糀こめのはな

福岡県遠賀町の米粉麺レストラン「遠賀屋糀こめのはな」(金田淳二代表)はこのほど、米粉だけを使用した乾麺「BEIMEN(べいめん)」を開発、クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」で9月末まで支援を募っている。8月19日時点で目標額10万円に対し、20万1,000円の支援が寄せられた。

「遠賀屋糀こめのはな」は米粉麺やご飯を御膳仕立てで提供しており、他にも米粉を使用したスイーツの販売などを行っている。米粉麺作りは2009年から、「福岡の特産品を作る」という依頼を受けて開始した。

金田氏は「当初から麺の結着を良くする増粘剤などを入れない無添加のものを作りたいと思っていたが難しく、試行錯誤の上、米粉の比率を99.8%までは高めることができた」と振り返る。

そのタイミングで隣町である直方市から「『ふくのこ』を使って米麺をつくってくれないか」と依頼を受けた。「ふくのこ」は農研機構が2016年に開発し、アミロース含有率が27%と高いため、米粉麺への加工に適した品種。栽培適地が西日本なため、福岡の遠賀川中心での栽培に注力しているとのことだ。

さらに、展示会を通じてα化度(糊化度)の高い米粉を製造する機械メーカーと出会い、再び無添加の米粉麺を目指すこととなった。α化度が低い米粉麺だと、ローラーで伸ばす工程や茹でる際に麺が切れてしまうが、α化度を高めることにより麺の結着が良くなり、これらの工程にも耐えうる米粉麺ができる。こうして米粉と塩だけを使った米粉麺が完成した。

金田氏は「製品は完成したが、小さな企業のため量産できる設備が整っていない。ここからは県にも協力いただいて、特産品として市場を広げていきたい」と意気込む。

「BEIMEN」のラインナップは、精米を使用した「精白米べいめん」だけでなく、麺100g当たり8.5mgのGABAを含む「発芽玄米べいめん」も揃えた。販売はまず、飲食店やホテルなどの業務用をメインに、そこからの認知度向上を図る。グルテンフリーという観点から輸出も視野に入れているとのことだ。

「精白米べいめん」「発芽玄米べいめん」/遠賀屋糀こめのはな
遠賀屋糀こめのはな「BEIMEN(べいめん)」クラウドファンディングサイトQRコード/CAMPFIRE

〈米麦日報2022年8月22日付〉
 
◆遠賀屋糀こめのはな「BEIMEN」クラウドファンディング情報