なぜ2月に「増量キャンペーン」が急増? 外食・コンビニ各社で広がる販促戦略

ローソンでは「盛りすぎチャレンジ」を開催
ローソンでは「盛りすぎチャレンジ」を開催

毎年2月は、年末商戦や正月休みの反動もあり、消費が落ち込みやすい時期とされてきた。こうした“谷間”を乗り切るため、食品小売や外食各社は例年、割引セールなど価格を前面に出した施策を展開してきたが、近年はその様相が変わりつつある。

目立ってきているのが、「価格は据え置き、内容量や付加価値を増やす」増量キャンペーンだ。

単に値下げするのではなく、内容や体験を“増やす”ことでお得感を訴求する動きは、コンビニから外食チェーンまで幅広く広がっている。2026年2月も、多くの企業がこの手法を取り入れ、それぞれの戦略を打ち出している。

ローソン「盛りすぎチャレンジ」
ローソン「盛りすぎチャレンジ」

〈増量は「割引の次の一手」〉

従来の値引きを軸とした価格訴求は、原材料費や人件費の高止まりにより、企業側の負担が大きく、持続性に課題を抱えるようになった。その代替策として注目されているのが、増量キャンペーンだ。

増量施策が支持される背景はいくつかある。
第一に、価格を変えずにボリューム感で“お得感”を演出できる点だ。特に肉類や惣菜、主食系商品は購入動機が強く、内容量の変化が視覚的にも分かりやすい。

第二に、「肉の日」販促の存在がある。2月9日や毎月29日を「肉の日」とする動きはすでに定着しており、29日がない年でも「2月9日」を軸に肉の増量企画を打ち出す企業が増えている。こうした日付をフックに、2月の消費を底上げしようとする狙いがある。

2月の『肉の日』は計3日間開催
2月の『肉の日』は計3日間開催

第三に、SNSや検索を通じた拡散力だ。具材が増えた商品や食べ応えのあるビジュアルは話題になりやすく、写真映えすることで自然な情報拡散につながりやすい。

こうした要因が重なり、増量キャンペーンは2月の消費刺激策として、近年存在感を強めている。

〈コンビニで広がる「盛り」戦略〉

■ローソン「盛りすぎチャレンジ」
ローソンでは2023年2月から「盛りすぎチャレンジ」を展開しており、2026年2月で7回目を迎えた。今回は過去の開催で特に反響の大きかった商品を中心に、おにぎりや調理パンなど全35品を約50%増量。発売日を分けて4週にわたって投入することで、継続的な来店動機を生み出している。

【関連記事】2月2日から ローソン「盛りすぎチャレンジ」第2週突入、チーズケーキ&塩焼そばが50%増量

■NewDays「増量フェス」
駅ナカコンビニのNewDaysでも、1月20日から2月2日まで「値段そのまま増量フェス」を開催。具材を約39~50%増量した惣菜やサンドイッチなど全15品を揃え、通勤・通学や移動の合間に生まれる“ついで買い”需要を刺激した。

〈外食チェーンは「肉」と「満腹感」で勝負〉

外食チェーンでは、特に肉系メニューを軸にした増量キャンペーンが目立つ。

■松屋「肉最大50%増量フェア」
松屋では2月10日10時から1週間限定で、「カルビ焼肉定食」「プルコギ定食」「キムカル丼」の3商品を対象に、肉量を通常の1.3~1.5倍に増量するフェアを実施する。

松屋「カルビ焼肉増量フェア」
松屋「カルビ焼肉増量フェア」

【関連記事】松屋で肉が最大50%増量 カルビ焼肉・プルコギ・キムカルを対象に

■ペッパーランチの肉増量企画
ペッパーランチでは、毎月29日の「肉の日」に加え、29日がない2月は「9」の付く日を肉の日として特別開催。2月9日・19日・3月1日の3日間、「ビーフペッパーライス」と「ワイルドジューシーステーキ」を対象に、肉を29%増量する。

■焼肉の和民「29%増量&生ビール29円」
焼肉の和民では、看板商品の「ワタミカルビ」などを29%増量する一方、「サントリー生」を税込29円で提供。2月9~11日の3日間限定で、肉とアルコールを組み合わせたインパクト重視の施策を展開している。

■丸亀製麺「うどーなつ」増量
丸亀製麺では、2月9日から1週間限定で「丸亀うどーなつ」を増量。通常5個入りの商品を8個入りで提供する。さらに、バレンタイン施策として3月2日までの期間中、購入者には「ベリーベリーディップソース」を無料で配布する。

【関連記事】うどーなつが値段そのまま5個→8個に増量! 「ベリーベリーディップソース」の無料配布も

〈2月販促は「割引」から「増量」へ〉

2月は消費が落ち込みやすい時期だが、増量戦略は単なる値下げとは異なり、消費者の体験価値そのものを高める施策といえる。原材料高が続く中でも、価格を維持しながら満足感を伝える手法として、量やサービスの訴求は今後も重要性を増しそうだ。

SNSや口コミでの拡散を意識したビジュアル訴求も強く、「量を実感できる体験」や「写真映え」は購買行動に少なからず影響を与えている。

物価高が続くなか、同じ価格でより満足できる体験は消費者にとって魅力的だ。2月は今後、単なる閑散期ではなく、企業の販促戦略の巧拙がより色濃く表れる月になっていきそうだ。

媒体情報

食品産業新聞

時代をリードする食品の総合紙

食品産業新聞

食品・食料に関する事件、事故が発生するたびに、消費者の食品及び食品業界に対する安心・安全への関心が高っています。また、日本の人口減少が現実のものとなる一方、食品企業や食料制度のグローバル化は急ピッチで進んでいます。さらに環境問題は食料の生産、流通、加工、消費に密接に関連していくことでしょう。食品産業新聞ではこうした日々変化する食品業界の動きや、業界が直面する問題をタイムリーに取り上げ、詳細に報道するとともに、解説、提言を行っております。

創刊:
昭和26年(1951年)3月1日
発行:
昭和26年(1951年)3月1日
体裁:
ブランケット版 8~16ページ
主な読者:
食品メーカー、食品卸、食品量販店(スーパー、コンビニエンスストアなど)、商社、外食、行政機関など
発送:
東京、大阪の主要部は直配(当日朝配達)、その他地域は第3種郵便による配送
購読料:
3ヵ月=税込15,811円、6ヵ月=税込30,305円、1年=税込57,974円