ミツカン「フルーティス」ブランド全面刷新、食酢飲料市場の再活性化へ

ミツカンマーケティング本部 牟田朋樹課長
ミツカンマーケティング本部 牟田朋樹課長

ミツカンは今春、食酢飲料市場の再活性化と食酢事業の成長に向けて、お酢ドリンク「フルーティス」ブランドを家庭用・業務用共に全面刷新する。家庭用(500ml、4倍濃縮タイプ)は、「長野県産シャインマスカット」など全4種を2月18日から新発売した。業務用(1000ml、6倍濃縮タイプ)は、家庭用とデザインを統一した新ラベルを採用、さらに「りんご酢ざくろ」を2月13日から新発売し、全14種のラインアップとなる。今回は「フルーティス」ブランド全面刷新の背景や狙いについて、同社マーケティング本部マーケティング企画1部調味料3課の牟田朋樹課長にうかがった。

〈「お酢を飲む」価値を伝えたい〉

食酢飲料市場は、過去のトレンドを見ると大きく2つの成長の山があった。1つめは2004年前後に、テレビの情報番組で健康性が伝えられたことなどにより、黒酢を中心に市場が盛り上がった。2つめの山は、当社が2015年にお酢の健康機能「酢の力」を訴求し始めたことに加え、りんご酢の健康イメージが広がったことや、韓国系ブランドの人気化により市場拡大が続いた。その中で「フルーティス」ブランドは2020年から発売を開始し、非常に好調なスタートを切った。

しかし、国内の食酢飲料市場は2022年辺りをピークに、縮小傾向が続いている。その要因の一つは、食酢飲料は酸味が強くて日常的に続けにくいところがある。生活者の健康志向の進化も影響している。かつての健康トレンドはダイエットや血圧であり、食酢飲料も一定の人気を得たが、最近はボディメイクのためのプロテイン、アンチエイジングのための植物性ミルクなどの関心が高まっている。さらには食酢の健康性が情報番組で取り上げられる機会が減少する中で、インパクトが相対的に下がっていることや、さまざまな機能性表示食品が発売される中で、食酢売場に生活者を誘因するパワーの低下もあると考えている。

このように市場環境が厳しい状況下で、ミツカンとして食酢飲料の立て直しに取り組む理由は、調理酢市場も人口減と調理離れで厳しい局面にある中で、祖業である食酢を生活者に届ける機会が無くなることへの危惧がある。「お酢を飲む」ことの価値を伝えることで、事業再成長の道を描きたいと考えている。

食酢飲料は、手軽さとおいしさに価値があると思っており、市場活性化に向けて、4つのチャンスがあると考えている。1つは、水・茶といった無味系止渇飲料の伸びが鈍化している一方で、フルーツウォーター、フルーツティーはヒットしていることが挙げられる。2つめはコスパ意識の高まりなどを背景に、濃縮飲料が伸びていること。

3つめは、ファミリーマート限定で昨夏発売した、りんご酢を掛け合わせることで、りんごのもつジューシーさやすっきりとした甘さを引き出した果汁飲料「りんごの目覚め(300ml)」のヒットがある。4つめは健康ニーズの多様化であり、こういったチャンスに着目すれば、活性化することができると考えている。

〈生まれ変わる「フルーティス」〉

「フルーティス」は今回の全面刷新により生まれ変わると、当社では捉えている。果汁と食酢を組み合わせることで、すっきりとした甘みと、ジューシーな果実感を引き出す「フルーティアップ製法(特許出願中)」を生かした新しいブランドとして生まれ変わる。生活者になじむ食酢の在り方を考え続けた当社だからこそ、食酢を主役ではなく名脇役に変えていきながら、おいしさの引き立て役にする。

仕事や家事の合間、一息ついて前を向くためのスイッチ。仕事を終えた後や休日に、自分を心から解放するようなスイッチとして、「フルーティス」を「新・果実体験」を楽しめるリフレッシュドリンクとして提供していきたい。

家庭用では「長野県産シャインマスカット」「福岡県産あまおう」「国産白桃」といった国産果汁を使用した商品と「ざくろ」の4種を新発売した。4倍濃縮なので500ml1本あたりコップ約11杯分で、さまざまなアレンジも楽しめる。全面刷新を契機に、テレビCMやコラボ企画などのコミュニケーション施策を検討している。

業務用は6倍濃縮で1000ml1本あたりコップ約33杯分楽しめる。ご愛顧いただいているホテル、レストラン、レジャー施設などで話題を喚起する施策を行っていきたい。

さらには、りんご酢をベースに健康・美容ケア成分を組み合わせた食酢飲料の新シリーズ「おいしいビネガーケア(500ml、4倍濃縮)」から、「乳酸菌&りんご」「セラミド&ざくろ」「GABA&ヨーグルト」の3種を3月5日から発売する。新しい健康美容習慣を提案したい。

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創刊:
昭和26年(1951年)3月1日
発行:
昭和26年(1951年)3月1日
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