大塚製薬、静岡市と熱中症対策会議 官民連携で搬送者削減へ VR活用も紹介
大塚製薬は、自治体と連携した熱中症対策を各地で強化している。その一環として静岡市と共催し、5月20日、静岡市役所で「令和8年度しずおか中部連携中枢都市圏熱中症対策会議」を開催した。会議には中部5市2町の自治体に加え、小売や流通などの民間企業・団体が参画。熱中症搬送者数の削減やクーリングシェルターの拡充をKPIに掲げ、官民連携による広域的な熱中症対策の方向性を共有した。

同社ニュートラシューティカルズ事業グループ東海支店支店長の平内秀司氏は、「日々の健康維持を支える知見やエビデンスを社会へ還元するため、全国の自治体と包括連携協定を締結し、熱中症対策に取り組んでいる」と説明した。静岡市とは2021年に包括連携協定を締結しており、昨年度は官民連携による啓発活動を通じて、熱中症搬送者数の減少につながる成果が得られたと報告した。

会議では、独立行政法人環境再生保全機構の地域熱中症対策課・中田孝之部長が、熱中症対策をめぐる最新動向を説明した。同機構では令和6年から熱中症対策部を設置し、熱中症警戒アラートや熱中症特別警戒アラートの情報提供を進めている。昨年は全国的な猛暑となり、平均気温は平年比プラス2.36度となった。
熱中症警戒アラートは、県内17地点のうち1地点でも暑さ指数(WBGT)が33に達すると発表される。一方、熱中症特別警戒アラートは、16地点でWBGT35に達した場合に発表される仕組みとなる予定だ。発表時にはクーリングシェルターの開放など、自治体の対応強化が求められる。

全国の先進事例として、クーリングシェルターの活用や高齢者向け勉強会なども紹介された。あわせて大塚製薬は、ジョリーグッドとの共同事業であるVRトレーニングプログラム「FACEDUO」の新コンテンツ「熱中症対策VR」を紹介した。同プログラムは、熱中症のサインや加齢による身体機能の変化をVRで疑似体験し、高齢者本人や周囲の人の理解を深める内容。自治体や医療機関、企業が生活者向けセミナーなどで活用することを想定している。
静岡市は今年度のKPIとして、熱中症搬送者数の削減、高齢者搬送者数の削減、重症・中等症割合の削減、クーリングシェルター開設数の増加の4項目について説明した。5市2町での熱中症搬送者数は前年の477人から昨年は429人へ減少したと報告した。
各自治体からは、小学校への冷凍庫設置、熱中症対策アンバサダー養成講座などの取り組みが共有された。民間企業・団体からも取り組みが報告され、イオンリテール、セブン-イレブン・ジャパンなど20団体超が、店頭啓発やクーリングシェルターの展開を進めている。







