2026年5月31日、嵐のラストライブ:26年半の軌跡と、食品産業へもたらした無数の笑顔【食品産業あの日あの時】

2026年5月31日、東京ドームで「ARASHI LIVE TOUR 2026『We are ARASHI』」の最終公演開催
2026年5月31日、東京ドームで「ARASHI LIVE TOUR 2026『We are ARASHI』」の最終公演開催

「あの子たち、また仕事中にピノ食べてる…」

1998年に放送された森永乳業のアイスクリームブランド「エスキモー」の「ピノ」のテレビCMの一幕だ。コンサートの真っ最中に「ピノ」をつまみ食いしてスタッフからたしなめられるのは、当時ジャニーズJr.に所属していた相葉雅紀さん、二宮和也さん。バックで流れるのは「Do you wanna feel like dancing」、ファンの間では通称「ブギダン」と呼ばれる、このCMのためのオリジナルソングだ。

光GENJI(「クリスピーナ」「ボングーショコラ」)、SMAP(ブリック飲料「SMAP」)など、森永乳業のCMには歴代のジャニーズ事務所イチオシのアイドルたちが出演してきた。二人は翌1999年もジャニーズJr.のメンバーとともに「ピノ」のCMに出演したのち、9月15日、5人組のアイドルグループ・嵐のメンバーとなった。

2026年5月31日、東京ドームで開催される「ARASHI LIVE TOUR 2026『We are ARASHI』」の最終公演をもって、嵐は約26年半にわたるグループ活動に終止符を打つ。日本のエンターテインメント史に残るその功績は語り尽くせないが、食品産業の視点から見ても、彼らが数々の商品の顔として市場にもたらした影響は計り知れない。今回は、彼らが彩った食品・飲料CMの軌跡を振り返りたい。

結成初期の彼らが躍動したのは、若年層をターゲットにしたスナック菓子やアイスクリームの領域だった。冒頭で触れた「ピノ」は、2000年4月からは嵐の5人がCMキャラクターを務めた。また同年7月からはブルボンの「プチシリーズ」にも起用され、「プチ・エビづつみ」「プチ・チョコビス」など数多くのCMが制作された。

グループとしての成長とともに、彼らが起用される商品のカテゴリーも、広範な世代にリーチする清涼飲料水へと大きくシフトしていった。初の飲料CMはコカ・コーラ『No Reason』キャンペーン(2003年)から始まった。CMソング『ハダシの未来』のジャケットにはブランドカラーの赤とコンツアーボトル(胴部がくびれたボトル)のシルエットがあしらわれ、Tシャツや液晶テレビなどが当たる懸賞も大いに反響を集めた。

2006年から2007年にかけては「C1000ビタミンウォーター」のCMに登場。この間、同ブランドが武田食品工業からハウスウェルネスフーズへと移管されたが、嵐のCM起用は継続された。

二宮さんがクリント・イーストウッド監督の映画『硫黄島からの手紙』(2006年12月公開)に出演するなどソロとしての活動が増えてきた2000年代中盤からは、メンバー個人のキャラクターに合わせたCM起用が次々と始まる。

2008年、二宮和也さんはキリンビバレッジの新感覚炭酸「シャバダバ」のCMに単独で出演すると、松本潤さんもサントリー「ペプシネックス」のCMに出演。櫻井翔さんは2009年から2010年にかけてアサヒ飲料「三ツ矢サイダー」に起用された。

櫻井さんは翌2011年からは大塚製薬「オロナミンCドリンク」の新ブランドキャラクターに就任、「元気の現場」をテーマに日本中を訪れるCMが展開された。往年のCMキャラクター大村崑さんの代わりに櫻井さんをあしらった「オロナミンCドリンク」のホーロー看板のキャンペーンも話題となった。

2013年から2016年にかけては「キリンメッツ」(キリンビバレッジ)のCMに相葉さんと大野智さんが登場。2016年3月からは松本さんも加わり、3人のテンポの良い掛け合いが長く親しまれた。また二宮さんは日清オイリオ(2011~2022年)、相葉さんはエバラ食品工業の焼肉のたれ「黄金の味」のキャラクター(2016~2023年)を長く務めた。

様々なCMに出演してもイメージが分散しないのは、メンバーの個の強さに加え、常にグループとしての活動が芯にあったからだろう。

こうした各社との長年にわたる絆が、かつてない形で結実したのが、最初の活動休止直前のラストイヤーである2020年である。同年3月18日からはメンバー全員で再びアサヒ飲料「三ツ矢サイダー」のCMに出演。デビュー日の9月15日には13の企業が賛同した「HELLO NEW DREAM. PROJECT」の一環として、「HELLO NEW DREAM. 特別限定パッケージ」が発売された。

デビューから26年半。嵐とメンバーたちが食品産業にもたらした多大な経済効果と、日々の食卓に届けてくれた無数の笑顔は、彼らの活動が終止符を打った後も、私たちの記憶の中で鮮やかに残り続けるだろう。

【岸田林(きしだ・りん)】

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創刊:
昭和26年(1951年)3月1日
発行:
昭和26年(1951年)3月1日
体裁:
ブランケット版 8~16ページ
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