ポッカサッポロ、「飲まない日」に照準 「北海道富良野ホップ炭酸水」が売上162%
ポッカサッポロフード&ビバレッジは、「北海道富良野ホップ炭酸水」を「お酒を飲まない日」の新たな選択肢として提案する。2025年の売上金額は前年比162%、2026年1~6月も同120%と好調に推移。ビールの味を再現するノンアルコールビールとは異なり、ホップの香りとほろ苦さを楽しめる無糖炭酸水として、休肝日を設けるビールユーザーの需要を取り込む。
同社は、意識的に休肝日を設けている20~59歳のビールユーザーを約1277万人と推計する。お酒をやめたい人ではなく、お酒とうまく付き合いたい人を重点ターゲットとし、7月から「飲まない日、我慢していませんか?」をテーマにしたコミュニケーションを始めた。
「北海道富良野ホップ炭酸水」は、2014年発売の「グリーンシャワー」が原点。2022年に現在の商品名へ変更し、北海道上富良野産ホップの価値が伝わるブランドへ刷新した。2024年には、サッポロビールとの共同開発を示す星マークをパッケージに採用した。

最大の特徴は、サッポロビールが14年かけて開発した独自品種「フラノビューティ」のエキスを使用していることだ。ホップは品種によって香りが異なり、炭酸水に使うとグリーン感の強い香りが出るものもある。
一方、「フラノビューティ」は華やかな香りが特長で、同社は、この品種を使えることが、同商品の味わいを実現する理由の一つと説明する。サッポロビールが培ってきたホップ研究や商品開発の知見を生かし、爽やかな香りとほろ苦さを楽しめる味わいに仕上げた。
購入者は男女とも40~60代が中心。購入者数を示す「間口」に加え、購入者1人当たりの購入頻度を示す「奥行き」は2025年に前年比243.5%となり、一度試した人の継続購入につながっている。
一般的な炭酸水がリフレッシュや口直しなどを目的に飲まれるのに対し、同商品は「リラックスしたい」「お酒を控えたい」といった理由で選ばれている。夕食時や入浴後など、くつろぎの時間に飲まれることが多く、一般的な無糖炭酸水やフレーバー炭酸水とは異なる飲用場面を獲得した。
SNSでは、「お酒の代わりに飲んでいる」「ビールの代わりになる」といった投稿が自然に広がった。大手ECサイトでも、「休肝日にも」とする訴求やアルコール代替の提案が高い反応につながったという。2025年には、同社のお客様相談室に寄せられた称賛の声が、全商品の中で最も多かった。
一方、「飲みたいのに近くで買えない」との声も多く、コンビニエンスストアへのスポット導入や量販店での展開により、購入機会を広げている。
同社がビールユーザーを対象に調査したところ、お酒を飲まない日に選ぶ飲料では、水やお茶とともに無糖炭酸水が高い割合を占めた。こうした調査結果や消費者の声を踏まえ、「お酒を飲まない日」に軸足を置いたマーケティングを強める。

ブランドマネジメント部の林真那氏は、ノンアルコールビールとの違いについて、「一番の強みは、炭酸水というカテゴリーでありながら、ビールの雰囲気を楽しめること」と説明する。ビールの味を再現するのではなく、ホップの香りやほろ苦さによって満足感を得られる点を独自の価値とする。
今後は店頭施策や試飲、動画広告を組み合わせ、ビールユーザーとの接点を広げる。清涼飲料水売り場を中心に認知を高め、酒類やノンアルコールビールとは異なる「飲まない日」の選択肢として定着を図る。







