ネスカフェ×全農、ご当地牛乳で“ラテ体験”、濃縮コーヒー使った飲み比べを原宿で開催、6月30日まで

牛乳を飲み比べた上で好みの銘柄とポーション飲料を選び、“推しラテ”を注文する
牛乳を飲み比べた上で好みの銘柄とポーション飲料を選び、“推しラテ”を注文する

ネスレ日本とJA全農は、6月の「牛乳月間」にあわせ、牛乳の魅力を再発見できるイベント「ネスカフェ×JA全農 アイスラテを楽しむご当地MILK STAND」を東京・原宿で開催している。全国10種類のご当地牛乳とネスカフェの濃縮タイプ飲料を組み合わせたラテ体験を通じ、若年層への牛乳消費促進を図る。

イベントは、ネスレの直営カフェ「ネスカフェ 原宿」で5月29日からスタート。店内には〝原宿にミニ牧場が出現〟をテーマに牛の模型や柵が設置され、都会にいながら牧場気分を楽しめる演出が施された。来場者は全国から集められた牛乳を飲み比べた上で、好みの銘柄とポーション飲料を選び、自分の“推しラテ”を注文できる仕組みだ。

ネスレ日本の濃縮コーヒー飲料「ネスカフェ ポーション」は、1999年春に発売されて以来、家庭で本格的なカフェメニューが楽しめる商品として成長してきた。特に牛乳で割るだけの手軽さと、キャラメルや抹茶など7種のフレーバー展開が支持されている。

同社飲料事業本部のハンクス香里氏は、「家庭内だけではなく、ホテルの朝食ビュッフェでも牛乳の横にポーションを設置し、家庭外でのタッチポイントも増やしていく予定」と語る。

今年3月から展開している「ネスカフェ エスプレッソベース」は500mlのボトル入りで、約15杯分のラテが作れる濃縮タイプ。水やミルク、ジュースなど、自由な飲料で割って好みの味をつくることができる。20~30代のコーヒーライトユーザーを主なターゲットに設定したところ、「想定通り若い世代から支持されている」と同本部の吉岡修平氏は語る。

実際、このような濃縮タイプのコーヒー市場は直近4年間で金額ベース約1.5倍に拡大した(出典=インテージSRI+)。暑さを感じる時期の長期化や、家庭内でのアレンジニーズの高まりが背景にある。

「ネスカフェ エスプレッソベース」とご当地牛乳でつくる期間限定アレンジラテ
「ネスカフェ エスプレッソベース」とご当地牛乳でつくる期間限定アレンジラテ

今回のイベントでは、ご当地牛乳を飲み比べてから、好きな牛乳とポーションを選べる「ラテお楽しみセット贅沢」に加え、エスプレッソベースとご当地牛乳でつくる4種の期間限定アレンジラテ(バナナ、キャラメル、黒みつ、抹茶)も登場。牛乳の味わいに合わせて割り材を変える楽しみ方を提案する。

(左から)ネスレ日本 飲料事業本部のハンクス香里氏、吉岡修平氏、富澤牧場の冨澤裕敏氏、JA全農 酪農部の天野琢氏、寺崎優喜氏
(左から)ネスレ日本 飲料事業本部のハンクス香里氏、吉岡修平氏、富澤牧場の冨澤裕敏氏、JA全農 酪農部の天野琢氏、寺崎優喜氏

イベントは牛乳の消費喚起を目的としており、背景には酪農の厳しい現状がある。全農によると、国内の牛乳・乳製品の消費量は約1180万トン(令和5年度)に達する一方で、季節による需給ギャップが大きく、夏場に需要が高まる一方で生乳生産量が落ちる傾向にある。逆に冬場には消費が落ち込み、余剰が生じる。そのバランスを取るため、全農は生乳が不足する時期は生産地から消費地への広域流通を行い、消費が落ちる時期は乳製品への加工を進めている。だが、根本的な消費拡大が必要とされている。

また、酪農家戸数の減少も深刻だ。指定団体に出荷する酪農家数は令和6年10月に1万戸を割り込む見通しであり、安心して酪農を続けられる環境づくりが急務とされる。こうした中で、牛乳の新たな価値や楽しみ方を生活者に伝える今回のイベントは、若年層を中心とした消費の裾野拡大に向けた一手となる。

発表会で登壇した富澤牧場(群馬県)の代表・富澤裕敏氏は、「牛乳は生き物と向き合う毎日の積み重ねでできている」と語る。イベントについては「産地のこだわりが伝わる機会をもらえた。牛乳を楽しんでもらうことが、生産者にとっても励みになる」とした。

イベントは6月30日までの期間限定。6月1日の「世界牛乳の日」を含むこの時期に、牛乳のおいしさや多様性を再発見できる場として展開している。

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創刊:
昭和26年(1951年)3月1日
発行:
昭和26年(1951年)3月1日
体裁:
ブランケット版 8~16ページ
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