「サントリー特水」発売、「特茶」ブランドから4年ぶりの新商品/サントリー食品

サントリー食品インターナショナルは10月21日、機能性表示食品「サントリー特水(とくすい)」(600mlPET、税別150円)を全国で発売する。機能性成分は植物由来のポリフェノール「HMPA」。機能性表示では、“HMPAはBMIが高めの方のお腹の脂肪(内臓脂肪)を減らすのを助ける機能が報告されている”とする。「特茶」ブランドとしては4年ぶりの新商品となる。お茶から水へと領域を広げ、健康行動のさらなる日常化を目指す考えだ。
同社は10月14日に商品発表会を開催した。同社の発表によれば、健康意識の高まりを背景に特定保健用食品・機能性表示食品の市場は拡大を続けており、今後も飲料を通じた健康サポートの需要は増加が見込まれる。一方、ミネラルウォーター市場は昨年実績で、2018年比が約1.6倍まで拡大したが、機能性をうたう“水”はほとんど存在していないという。同社ブランド開発事業部の野口裕貴課長は、「現代人が抱える健康課題を、現代人からニーズの高いカテゴリーである水で解決したい」と語った。
機能性関与成分には、植物由来ポリフェノールの一種「HMPA(3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)プロピオン酸)」を採用。原料は米ぬか発酵物で、約50種の素材を比較検討する中から、ほぼ味・匂い・色のない特性を持つことから選定したという。HMPAは内臓脂肪を減らすのを助ける機能が報告されており、1日摂取目安量は600ml(本品1本相当)。味や香りがほとんどなく、通常の水のように飲める点が特徴だ。

今後は、サントリーの健康戦略をけん引する2本柱として、「特茶」と「特水」を展開していきたい考え。緑茶の特茶が40~50代男性を中心に支持されているのに対し、特水は20~30代や女性層、軽運動時や就寝前などのシーン拡大を想定する。「お茶では取りきれなかった日常の隙間に寄り添える商品にしたい」(野口氏)。
活動展開は、10月15日からJR「御茶ノ水駅」で実施するスペシャル交通広告を皮切りに、テレビCM(本木雅弘さん出演)、SNS、自販機、店頭を連動させる。特に、交通広告のテーマは「新しい、お茶の水」で、駅名とコピーをかけ合わせたユーモアある表現で話題喚起を狙う。中期的には特水の貢献により、特茶ブランド全体を1.5倍規模に成長させる考えだ。
野口課長は、「現代人の健康行動をもっと自然に、日常的に支えられるブランドにしたい」と語り、健康飲料市場に新たな可能性を示した。