伊藤園「お~いお茶」「1日分の野菜」など3月1日から値上げ、背景に原材料の供給不足

2026年3月から価格改定する製品(一例)
2026年3月から価格改定する製品(一例)

伊藤園は2026年3月1日に、緑茶飲料製品・緑茶リーフ製品・野菜・果実飲料製品において一部商品の価格改定を行う。12月4日に発表した。

「お~いお茶 緑茶」(600mlPET)は、200円から220円(税別、改定率20%)となる。これら緑茶飲料製品は計71品を対象に、現行価格体系から希望小売価格を5~25%引き上げる。

「お~いお茶 プレミアムティーバッグ 宇治抹茶入り緑茶」(20袋)は、450円から600円(税別、改定率33.3%)となる。これら緑茶リーフ製品(ティーバッグ茶・顆粒茶)は計26品を対象に、現行価格体系から希望小売価格を10~33.3%引き上げる。

野菜飲料は、「1日分の野菜」(200ml紙パック、オープン価格)の出荷価格を改定率 5.3~14.3%の範囲で改定する。これら野菜・果実飲料製品は計41品を対象に、現行価格体系から希望小売価格を5.3~14.3%引き上げる。

伊藤園によれば、主要ブランドの原材料である茶原料や野菜・果実原料が供給不足により高値で推移しており、加えて物流費・人件費など社会・業界全体でコスト上昇が継続している状況となっている。

一方で、抹茶製品の世界的需要は拡大し続けており、2025年の緑茶の輸出額は8月末の時点で380億円と、2024年の輸出額(364億円)を超えている。また、国内においてはインバウンド需要も高まっている。それに伴い、茶葉の価格が高騰している。

伊藤園は製品の品質向上と安定供給を目指し、原料の安定調達や生産技術の向上、輸送等におけるオペレーションの効率化など様々な企業努力を行ってきた。だが、企業努力だけでは安定的な供給を維持することが困難な状況となり、緑茶・抹茶製品の希望小売価格および出荷価格の改定に踏み切った。

伊藤園は、「今後も当社は、経営理念の“お客様第一主義”のもと、従来以上の企業努力を継続し、お客様にご満足いただける価値や品質を伴った製品の開発・供給に努めてまいります」などとしている。

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昭和26年(1951年)3月1日
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