ネスレ日本、黒くないコーヒー「ネスカフェ クーラー」発売 若年層開拓へ
コーヒーは“黒い飲み物”という常識を変える商品が登場した。ネスレ日本は、フルーツとコーヒーを組み合わせた粉末飲料「ネスカフェ クーラー」を3月1日に発売した。レモンやラズベリーの風味を持つ“色のあるコーヒー”で、若年層を中心とした新たな飲用機会の創出を狙う。
「ネスカフェ クーラー」はネスレが今後世界で展開するブランドで、日本が先行して発売した。アイスコーヒー文化が根付いている日本市場から、新しいコーヒーの飲み方を広げていく考えだ。
同社が2月25日に開いた春夏事業戦略発表会で、同社常務執行役員飲料事業本部長の島川基氏は日本のコーヒー市場の変化について説明。 日本ではアイスコーヒーの飲用が拡大しており、1993年には23%だったコーヒーのアイス飲料比率は、2025年には41%まで上昇した(消費者行動研究所「飲み物調査」)。なかでも、水やミルクなどで割って飲む濃縮飲料のコーヒー市場は、同社調べでは直近3年間で約1.5倍に拡大しているという。
その中で、ネスレは日本で1960年に「ネスカフェ」を発売し、家庭でコーヒーを楽しむ文化を広げてきた。さらに、その数年後にはアイスコーヒーのキャンペーンを展開するなど、日本のコーヒー文化の普及を後押ししてきた。 島川氏は「気温上昇や飲用スタイルの変化を背景に、アイスコーヒーは季節商品から通年商品へと変化している」と指摘した。
そのうえで、コーヒーは「楽しさ」「リフレッシュ」「健康」など多様な価値があると説明し、新しい飲用シーンの提案を進めている。 今回の「ネスカフェ クーラー」も、こうした流れの中で“リフレッシュ”の価値を打ち出す商品として位置づけられる。
同商品は浅煎りコーヒーに果実を思わせる香りと酸味を重ねた粉末タイプの飲料。水や炭酸水に溶かして楽しむことができ、今春は「レモン」と「ラズベリー」の2種類を展開する。1杯当たり約23キロカロリーで、カフェイン量も一般的なコーヒー抽出液と比べ15~30%程度に抑えた。

飲料事業本部ホワイトカップビジネス部の都間友紀子部長は、「飲料には気持ちを切り替える情緒的価値も求められている。コーヒーの可能性を広げ、新しい選択肢を提案したい」と開発の背景を説明した。
また、ネスレ日本の深谷龍彦社長は食品産業新聞社の取材に対し、「テレビが白黒からカラーに変わったように、コーヒーも“カラーの世界”にしていこうという発想から生まれた商品だ。若い世代にとっては、見た目の楽しさや“映える”ことも重要な要素。これまでコーヒーを飲んでいない人に向けて、入り口を広げる可能性がある」と期待を語った。

発売に合わせ、直営店の「ネスカフェ 原宿」と「ネスカフェ 三宮」では5月31日まで期間限定メニューを展開する。メニューは、「ネスカフェ クーラー レモンリフレッシュ」「同 ラズベリーダイス」(各630円税込)。

そして、「同 レモンシャーベットフィズ」「同 ラズベリーシャーベットフィズ」(各650円)の4種類。

ネスレ日本は、新しいコーヒー文化の提案を通じ、若い世代の飲用機会拡大を図る。







