飲料市場にも“抹茶ブーム”、背景に世界的な抹茶需要の拡大

世界的な抹茶人気を背景に、飲料各社が抹茶商品を強化している(左から伊藤園、日本コカ・コーラ、アサヒ飲料、サントリー食品の各商品)
世界的な抹茶人気を背景に、飲料各社が抹茶商品を強化している(左から伊藤園、日本コカ・コーラ、アサヒ飲料、サントリー食品の各商品)

世界的な抹茶人気の高まりを背景に、飲料メーカー各社が抹茶商品を相次いで投入している。それぞれ特徴の異なる抹茶飲料を展開しており、新たな市場の創出を狙う。付加価値商品の開発に取り組む業界にとって重要なカテゴリーになりそうだ。

「matcha LOVE」シリーズ
「matcha LOVE」シリーズ

伊藤園は抹茶ブランド「matcha LOVE(まっちゃ ラブ)」をリブランディングし、3月23日から「同 抹茶ベリーベリーラテ」「同 抹茶パンナコッタ」「同 抹茶アーモンドラテ」(各280mlボトル缶)など全6品を発売する。同ブランドは2013年に北米で誕生し、本格的な抹茶をカジュアルに楽しめる飲料を展開してきた。

今回のリブランディングでは、コーヒー・紅茶と並ぶカフェの定番メニューとして、アーモンドミルクやフルーツなど多様な素材と組み合わせながら自由に楽しまれてきた抹茶の価値観を、改めて逆輸入してブランドを再定義した。若年層を開拓できるかがカギになる。

また、伊藤園は3月13日、「日本の抹茶を、世界へ。Move Matcha Forward.」をメインコピーに大谷翔平選手を起用したビジュアルを公開し、産地と向き合いながら日本文化である「抹茶」を未来につないでいくためのコミュニケーションを開始した。抹茶の魅力とともに、その背景にある価値を広く発信するねらいだ。

「綾鷹カフェ」シリーズ( 濃い抹茶ラテ、ほんのりあまい抹茶グリーンティー)
「綾鷹カフェ」シリーズ( 濃い抹茶ラテ、ほんのりあまい抹茶グリーンティー)

日本コカ・コーラは「綾鷹カフェ」シリーズで抹茶商品の強化を進めている。主力商品の「綾鷹カフェ 濃い抹茶ラテ」(440ml PET)は、飲用実態の分析から午後2時から5時の「おやつ時間」に飲まれることが多いことが分かったことから、3月16日からパッケージを刷新。若者に人気のイラストレーターを起用したレトロポップ調デザインを採用している。

さらに新商品として「綾鷹カフェ ほんのりあまい抹茶グリーンティー」(同)を4月20日に発売する。国産抹茶100%(一部宇治抹茶)を使用し、抹茶の香りとすっきりした甘さを楽しめる味わいだ。

アサヒ飲料「泡 MATCHA」(無糖・ラテ、2026年下期の発売予定)
アサヒ飲料「泡 MATCHA」(無糖・ラテ、2026年下期の発売予定)

アサヒ飲料は抹茶の新しい飲用スタイルとして泡立つ抹茶飲料「泡MATCHA」(280ml缶)を提案する。フルオープン缶を採用し、開栓するときめ細かな泡とともに抹茶の香りが立ち上がる設計が特徴だ。点てた抹茶のような味わいと香りを手軽に楽しめる商品として開発し、発売は26年下期を予定。抹茶を飲料としてだけでなく体験として楽しむ新しいスタイルを提案する狙いだ。

「サントリー緑茶 伊右衛門」
「サントリー緑茶 伊右衛門」

サントリー食品インターナショナルは「伊右衛門」ブランドで、“香り抹茶”製法を取り入れた緑茶飲料を展開している。「伊右衛門 緑茶」は、京都で親しまれてきたお茶の味わいを目指し、独自開発の茶葉を含む複数の茶葉をブレンド。一番茶を使用することで豊かなうまみを引き出し、複層的な香りや鮮やかな緑の水色も特徴としている。

各社が抹茶商品に注力する背景には、世界的な抹茶需要の拡大がある。コロナ禍後のインバウンド回復や健康志向の高まり、SNSでの情報拡散などを背景に、抹茶人気は国内外で広がっている。抹茶ラテなどのメニューは海外のカフェで定番となり、日本茶の輸出拡大にもつながっている。

こうした状況の中、飲料メーカー各社は抹茶を活用した新商品で飲用機会の拡大を図っている。抹茶の供給基盤の維持が課題でありつつも、付加価値の提供と若年層ユーザーの獲得は各社の命題であり、国内外で人気が高まる抹茶を生かした飲料の展開が、今後さらに広がりそうだ。

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食品産業新聞

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創刊:
昭和26年(1951年)3月1日
発行:
昭和26年(1951年)3月1日
体裁:
ブランケット版 8~16ページ
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