ローソン、調理ロボを導入、熟練職人の鍋さばきを研究した技術で出来たて炒めメニューを提供

野菜炒め調理の様子
野菜炒め調理の様子

からあげクン用揚げ調理ロボ(高輪ゲートウェイシティ店)に続く第2弾

ローソンは、新たな出来たてメニューの提供と省人・省力化に向けた取り組みとして、7月22日から、炒める機能に特化した調理ロボをローソン北大塚一丁目店(グリーンローソン)に導入している。7月17日、同店舗で事業開発部の塩野貴啓部長らが説明会を行った。

調理ロボの導入は6月に「Real×Tech LAWSON」1号店としてオープンしたローソン高輪ゲートウェイシティ店のからあげクン用揚げ調理ロボに続く第2弾となり、TechMagic社(東京都江東区)が開発した。

今回導入する調理ロボI-Robo 2は、飲食店用として熟練職人の鍋さばきを半年間研究し開発したロボット。強い火力が求められる「炒飯」や「野菜炒め」などの炒めるメニューを誰でも簡単な操作で、安定した品質の商品として約1分半~2分半で調理することができる。店内の専用端末から注文を受けた後に店内の厨房で調理し、出来たての状態で提供する。

たまごチャーハン調理の様子
たまごチャーハン調理の様子

商品は、「野菜炒め」や「たまごチャーハン」(ともに税込538円)など、炒めメニューの定番である「炒飯」と「野菜炒め」の全14品(トッピング違い含む)。トッピングとして店内のフライヤーで揚げた春巻きや唐揚げのほか、チャーシューや牛もつなどを追加できる。

注文を受けた後、調理ロボに付属しているタッチパネルに材料や調味料の投入タイミングが表示され、表示内容に沿って鍋部分に投入するだけで自動的に炒める・混ぜる、の動作が行われる。鍋部分は350℃以上の火力で炒めることが可能で、工程フローがあるため、誰でも対応でき均一に仕上がるという。調理終了後には、鍋部分が自動洗浄され、連続して調理を行うことができる。

ローソン北大塚一丁目店外観
ローソン北大塚一丁目店外観

同社は、店内厨房で調理をする「まちかど厨房」を全店舗の約7割にあたる9,600店舗に導入している。この店舗数は厨房スペースを持つ小売店としては国内最大規模となっており、店内で調理した弁当・惣菜・サンドイッチを目的に来店する顧客も多いという。

2021年にはデリバリー専用に開発した商品を店内厨房で調理して届ける宅配サービス「ゴーストレストラン」を開始し、北海道・東北・関東・中部・近畿・中国・九州地区の1都1道2府12県の約700店舗(2025年6月末時点)に導入している。これまで、店内厨房での調理は油調と電子レンジによる調理に限られていたが、この度の調理ロボの導入により、「炒める」という調理工程が追加され、メニューの幅が大きく広がる。

展開するメニュー
展開しているメニュー

今後はメニューの拡充や他店への横展開も検討していくほか、デリバリーでの提供も視野に入れる。
ローソンはこれまで培ってきた店内厨房のノウハウとテックを組み合わせることで、できたてメニューのおいしさと店舗の生産性向上を追求し、2030年度目標に掲げている2024年度比で日販30%アップ、店舗オペレーション30%削減に繋げていく予定だ。

事業開発部の塩野部長
事業開発部の塩野部長

塩野部長は「テクノロジーが必ず省人化につながるとは考えていない。それよりも今回は、今までなかった『炒める』という行為をコンビニで実施することで、新しい価値の提供をしたい」と説明した。

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