【ローソン】創業50周年の節目、レコメンドNo.1を目指す【2025年コンビニ動向 #2】
ローソンは、創業50周年を迎える今年度、顧客・社会・仲間からのレコメンドNo.1を目指し、「3つの約束」▽圧倒的な美味しさ▽人への優しさ▽地球(マチ)への優しさ――にこだわった商品戦略の取組みを継続する。
上半期は50周年を記念した「マチのハッピー大作戦」などのマーケティング施策が奏功した。各社客数に苦戦する中、ローソンでは客数1.5%増加と前年を上回った。日販では同社で初めて60万円を突破し、上期として過去最高を更新した。
AI活用では、新発注システム「AI.CO」導入による品揃適正化との効果により既存店売上高が5.3%増と伸長した。値引き推奨で売り切りを実践し、顧客満足にもつながった。
8月には食品ロス削減プログラム「FOOD GOOD SMILE」を開始した。値引きのおにぎりを購入すると、1個につき1円分の金額で購入した米を福祉施設へ寄付する取り組みで、8月分については約30トン分の米を寄贈した。
また約5年ぶりにプライベートブランド(PB)を刷新し、新たに「3つ星ローソン」ブランドに統一し、10月までに順次商品を刷新した。消費者物価指数の上昇で、割安なPBや高付加価値PBのニーズに応える。

商品面では、おにぎり、マチカフェコーヒー、ベーカリーの販売が好調だった。おにぎりは7月、13年ぶりに製造工場に新たな機械を導入して「手巻おにぎり」シリーズを刷新。おにぎり専門店のようなふんわりとした食感を実現し、売上は7月から9月の期間で、前年比7%と伸長した。大きなおにぎりを含む直巻おにぎりが好調で、11月からは、おにぎり専門店監修による「特別感」のある商品と、海苔を無くし「価格への工夫」をした商品という2軸の戦略でおにぎりを発売した。
7月に関東の一部店舗で発売した2023年産などの古米を使ったおにぎりや、小容量パックの発売も話題となった。
ベーカリーでは、8月に夏に好まれるよう開発した「ふわもち冷やしクリームパン」がヒットした。
9月には、「スタミナフェア」と銘打ち、にんにくなどの香辛料などを使った弁当・からあげクンなど計17品を発売。
10月に、2種類の主食メニューをセットにした「よくばりセットメシ」3品を展開し、コスパを意識した話題性のある商品を展開した。
11月には2種類の食感を一度に楽しめるハイブリッドチーズケーキを発売するなど、来店動機につながるスイーツを展開した。
昨年9月からはKDDIと三菱商事の共同経営となり、「Global Real×Tech Convenience」を掲げさまざまな施策を実行。今年6月は、「Real×Tech LAWSON」の第1号店次世代型コンビニ「ローソン高輪ゲートウェイシティ店」をオープンした。
高輪エリアや店舗内の各種データを連携・活用し、来店客に最適化された買い物体験を提供する。調理ロボや配送ロボなど多くのテクノロジーを導入して効率化を進める。店舗や本部のオペレーションDXなどを進め、2030年度に日販30%増加、店舗オペレーション30%削減、オーナー1店舗利益2倍、本部利益2倍達成を目指す。
持続可能な社会の実現に向けた取り組みでは、南海トラフ巨大地震に備えて「災害支援コンビニ」の設置を開始した。平時は通常のコンビニ店舗として運用し、災害時には地域住民の支援拠点として、スマートフォンの充電ができるバッテリーの設置や、災害時用おにぎりの提供などを行う。まずは2025年度内に、既存の直営店「ローソン富津湊店」(千葉県富津市)を、災害支援コンビニの1号店として運用開始する。災害支援コンビニは、2030年度までに全国100店舗への拡大を目指す。
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