【ミニストップ】ソフトクリームなどコールドスイーツが好調、「Newコンボストアモデル」を水平展開【2025年コンビニ動向 #4】
ミニストップは、成長戦略の1つとして2023年度より、「Newコンボストア」のモデル確立と展開を進めている。
同社は1980年の創業時より「ファストフード」(FF)と「コンビニ」(CVS)を提供する「コンボストア」を展開してきたが、その双方を磨き上げたNewコンボストアの確立により個店モデルの競争力強化を目指す。
上半期は、ソフトクリームやハロハロなどのコールドスイーツやホットスナックを中心に、店内加工ファストフード商品が売上をけん引したほか、98円おにぎり、品揃えを増やした菓子パンなども好調だった。
同社の代表的なコールドスイーツ「ハロハロ」は今年30周年を迎え、SNS を活用したキャンペーンでは、100円引きになるデジタルクーポン配付などを行った。発売当初からの根強いファンに加えて、「「ハロハロ果実氷ブラッドオレンジ」など夏に合うフレーバーで若者を取り込む商品展開とした。
また、同社は創業以来、ソフトクリームを販売してきており、同社を代表する商品の1つとして幅広い支持を集めてきた。今年4月、大きく刷新し「北海道ミルクソフト」へ名称を変更。“牧場で販売しているソフトクリームの味”を目指し、食材と配合にこだわり、濃厚かつミルク感あふれる味わいに変更した。より具体的には、北海道産生クリームの配合量を増やし、厳選した生乳とのバランスを整え、同社史上最高の乳脂肪分(5.5%)で濃厚かつミルク感あふれるソフトクリームに仕上げた。これにより、売上は前年対比5.8%増加につながった。
ハロハロも「北海道ミルクソフト」との組み合わせが好評で、コールドスイーツの売上は前年同期比10%超伸長した。

ホットスナックでは、2月にリバイバル発売し好評だった「チーズ ハットグ」のチーズを155%増量した「のびーるチーズハットグ」を7月に発売、売上を押し上げた。人気メーカーとのコラボ商品の「北海道ウェーブポテト コンソメWパンチ」も好調な販売となりホットスナックの売上は前年同期比8%伸長した。
一方今年8月、関東や関西の一部店舗で店内調理したおにぎり、惣菜の消費期限に偽装があったと発表し、販売中止していた。この影響を受け、既存店平均客数は1.2%減と手づくりおにぎり等販売中止の影響を受けた。販売中止に伴う営業利益は、売上減少分6億円と加盟店バックアップ費用2.5億円など10億円近いマイナスがあった。
その対策として、代替となる商品の品揃え拡充や販売促進に注力し、夕・夜間の客数が伸びた。店内調理のおにぎり再開に向けては、監視カメラを店内の調理場に設置するなどの再発防止策を実施し、10月から一部店舗で販売を再開している。店舗開発面では、昨年5月に東京・神田でオープンしたフラッグシップ店「ミニストップ神田錦町1丁目店」を起点に、成功事例を積み重ね、その水平展開を進めようとしている。
具体的には、商品軸では生鮮品の品揃え拡充やパウチ惣菜など日配品の大型導入、イオングループの即食商品の導入、オペレーション軸ではセルフレジや煙草セルフ販売の導入など、OMO(Online Merges with Offline)軸では、アプリを中心としたプレミアム会員制度の導入などで成功事例を積み重ね、日販の拡大にもつながっているという。上半期は新店を3店舗出店、既存店改装を1店舗で実施した。引き続き、新たな事業モデルの確立に向け、エリア戦略に基づく出店を推し進めていく。







