コンビニ大手3社のクリスマス戦略 / 「物価高騰」の影響でクリスマス市場は縮小傾向に
クリスマス商戦が本格化しているが、民間調査会社によると今年のクリスマス市場規模は7,200億円程度で、ここ2年でみると縮小傾向だそうだ。
物価高や実質賃金の伸び悩み、各種コスト上昇などが背景にあり、消費者はより節約志向を強めている。
大手コンビニ各社は、今年の状況を踏まえた、「家族や友人との団らん」を計画的に楽しむクリスマス商品を販売している。
ファミリーマートが行った「クリスマスに関する意識調査」によると、「クリスマスディナーおうち派」は43.4%と、自宅で過ごすニーズが高く、約6割の人は5,000円未満の予算と考えていることがわかった。一方で特別な部分に出費したい、メリハリ意識で楽しみたいという回答も7割に上る。
〈コンビニ各社のクリスマス戦略1 ファミリーマート〉
ファミリーマートでは、クリスマスの消費トレンドに基づき、さまざまなクリスマスの過ごし方に応える商品全66品を展開する。
毎年人気のケーキは、昨年より「ピエール・エルメアンソロジー監修ガトー・ド・ノエル(チョコレート&チェリー)」(税込4,980円)など専門店監修ケーキを強化し、2,000円台の手ごろな価格の商品を2品追加した。アイスデザートを含め全28品を展開する。
メインのチキン、有名店監修のオードブル、ピッツァなどそれぞれの選択肢を豊富に設ける。また、「早期予約」「ポイント活用」で「メリハリ工夫で楽しむクリスマス」を勧める。

〈コンビニ各社のクリスマス戦略2 ローソン〉
ローソンでは、顧客のニーズが「お手頃価格」と「高付加価値」に2極化が進むことを想定したクリスマスケーキを展開する。
特にお手頃価格のケーキのラインアップを強化。「Uchi Café小さなスノーボンブ 3.5号」(税込2,420円)などは、同商品5号サイズより価格を1,000円程抑えた。トッピングを無くした「シンプルショートケーキ 5号」(税込2,290円)は、“DIYケーキ”として好みでデコレーションする楽しさを提案する。
高付加価値ケーキでは、「Uchi Café×HENRI CHARPENTIERアンリ・シャルパンティエ ノエル・ド・モンブラン3.5号」(税込4,400円)など4品を発売し、予約販売は好調だった。400円から1,500円の個食用ケーキは12品展開し、直前に購入するニーズにも応える。

〈コンビニ各社のクリスマス戦略3 セブン‐イレブン〉
セブン‐イレブン・ジャパンでは、クリスマスに“手軽さ”を意識しつつも自宅で本格的なメニューを楽しむ商品を提案する。
市場ニーズを意識し、昨年から小さいサイズのケーキを5品目増やし、13品目に拡充した。
発売29年目となる、「クリスマスかまくら」(税込3218円)は、素材にこだわりながら価格据え置きで販売し、コストパフォーマンスをアピールする。

11月27日時点での予約数ランキングでは、同商品が1位、2位は「ガトー・フレーズ 4号」(税込3,402円)、3位は「チョコデコレーション4号(ベルギー産チョコのクリーム使用)」(税込2,808円)と、手ごろな価格の2~3人向けのケーキも好調だという。
カウンター商品では「スペシャルななチキ(骨付き)」(税込380円)を、衣の配合を見直しスパイスを増量させ、特別感のある商品に仕立てた。「確かなおいしさと値ごろ感」を意識し、オードブルやチキン、ワイン等約50品を揃える。

今年のクリスマスは平日だが、無理なく効率的に、いつもより少し贅沢な食卓を楽しみたいと考える人は多い。各社コンビニは予約販売を推進し、ケーキ、惣菜など個食サイズを拡充することで、多様化するニーズを捉えようとしている。







