【2026年4月施行】食料システム法で何が変わる? 価格交渉・コスト指標・支援策【食の注目ワード解説】

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4月1日、食品等事業者(食品製造業者、食品卸売業者、食品小売業者、外食事業者など)を対象とした「食料システム法」が全面施行された。同法は、食品等の持続的な供給の実現に向け、食品事業者による事業活動の促進と取引の適正化を目的とするもの。

2025年10月に施行された「食品産業の発展に向けた計画認定制度」とあわせ、合理的な費用を反映した価格形成の実現に向けた、食品取引の適正化に関する各種措置が講じられている。

本稿では、「食料システム法」の主なポイントを整理する。

①誠実な価格交渉を促す「努力義務」

近年、世界情勢の急激な変化や気候変動の影響を受け、原材料費や資材費、物流費などのコストは上昇または高止まりの状況が続いている。その一方で、取引における力関係の差から、弱い立場の事業者に負担が偏るケースも指摘されている。

こうした状況を踏まえ、同法では取引適正化に向けた対応を盛り込んだ。具体的には、買い手(食品メーカー、卸売業者、小売業者など)に対し、売り手(生産者や食品メーカーなど)が原材料費・人件費・物流費の上昇を理由に価格交渉を求めた場合、誠実に協議することを求めている。

あわせて、これまで曖昧とされてきた商慣習の見直しや、持続的な供給に向けた提案に対して検討・協力することも「努力義務」として規定された。

さらに、適切な取引が行われているかを確認するため、農林水産大臣が「食品等取引実態調査」を実施。必要に応じて、指導・助言、勧告・公表などを行う仕組みも整備された。

②5品目で「コスト指標」を作成・公表

公正な価格交渉を進めるうえでの客観的な根拠とし、コスト割れの抑止を図る目的から、農林水産大臣が指定する5品目については、業界団体が「コスト指標」を作成・公表する仕組みも導入された。

対象品目は、「米穀・野菜・豆腐・納豆・飲用牛乳(成分調整牛乳を除く)」の5つ。これらの指標を活用し、適正な価格形成を後押しする。

③金融・税制支援などを受けられる認定制度

持続可能な食料供給に向けた取り組みを推進する食品等事業者を支援するため、各種施策に対する計画認定制度も創設された。

対象となる取り組みは、〈1〉農林漁業者との安定的な取引関係の構築、〈2〉食品流通の合理化によるコスト削減や価値向上、新たな需要開拓、〈3〉環境負荷の低減や資源の有効活用、〈4〉消費者の選択に資する情報提供――のいずれか。

これらの取り組みについて農林水産大臣の認定を受けた事業者は、日本政策金融公庫による長期・低利融資などの金融支援、税額控除といった税制特例、さらに事業再編時における会社法手続きの緩和など、各種の支援措置を受けることができる。

■持続的な食料供給体制の構築へ

農林水産省は、同法の施行により、合理的な費用を踏まえた価格形成と食品産業の持続的な発展に向けた施策を一体的に推進するとしている。これにより、食料を安定的かつ持続的に供給できる食料システムの確立を目指す考えだ。

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