【トップインタビュー】「フレッシュネスバーガー」夜間とカフェタイムの需要喚起へ/新施策「フレバル」などで気軽に立ち寄れる店としてアピール

フレッシュネス 齋藤健太朗社長
フレッシュネス 齋藤健太朗社長

「フレッシュネスバーガー」を展開するフレッシュネス(横浜市西区)は 10月8日から、夜の時間帯の新たな施策「フレバル」を実施するほか、カフェタイムの需要を掘り起こすべくコーヒーの刷新に加え、新メニュー「スコーンサンド」を投入する。「フレバル」は、16時以降にアルコールを1杯税込 290円で提供するほか、アルコールを含めたドリンクとおつまみになるフードのセットを税込650円から提供するというもの。新たな来店客を掘り起こし、客数増や売上の拡大につなげる。

フレバルメニュー イメージ
フレバルメニュー イメージ

齋藤健太朗社長に、取り組みの狙いなどを聞いた。

――今回の取り組みの狙いは。

我々の商品は店内調理にこだわっており、そこの品質の良さが多くの方から支持されていると考えている。そのため、ハンバーガーなどの商品の戦略は良いが、それ以外の時間帯はどうしても客数が減ってしまうなど弱かった。今回、コーヒーの刷新や、夜の時間帯向けの新企画を新たに行う。元々提供してきたカフェメニューやアルコール類を広く知ってもらい、ブランドをもう一段引き上げるということへのチャレンジだ。

我々の立ち位置は、他のバーガーチェーンと、カフェチェーンの中間ぐらいに位置していると考えている。そのため、これまでアイドルタイムだった時間に来店していただくための取り組みとして挑戦したい。我々も含めた多くのバーガーチェーンでは、12時ごろに最も多くの方が来店され、徐々に落ち込んでいく傾向にある。そこで、カフェタイムと、夜の時間帯にも来店していただけるようなメニューを追加する。

もう一つの狙いとしては、「我々はもう一段変わっていく」というメッセージを、社内や加盟店の方々に向けて発信するということだ。

今までの「なんとなくヒマ」、「なんとなくビールを置いていた」ではなく、このビールを使って一人でも多くのお客様に来てもらうにはどうするか、ということを発信するという目的もある。

これまでは昼に集中していた社員やベテランスタッフのシフトを、夜の時間帯も手厚くするなどして、お客様とコミュニケーションをとりながら商品を提供できる体制を整えたい。 私自身、現場からスタートした人間なので、現場で対応できないことは絶対に言わないようにしており、現場の方もそれを知っているから信頼関係はあると感じている。夜は売れない時間ではなく、新たに売上を取る時間だということを周知し、力を注ぎたい。

――取り組みの詳細は。

カフェ時間の取り組みとして、コーヒーを刷新した。実は、多くのカフェチェーンが取り組んでいる、1杯のコーヒーを頼むともう一杯が割引になる「ワンモアコーヒー」のサービスを、我々も行っているが、このあたりが伝わっていないと感じている。今回のコーヒーの刷新や新メニューの追加で、気軽に立ち寄ってもらえたらと思っている。

「フレバル」では、アルコール類を290円で提供する。カフェチェーンでコーヒーを楽しむのと同程度の価格にしており、アルコールを気軽に楽しんでほしいという考えから、価格を抑えて提供することを決めた。ドリンク1杯とフード1品のセットでも 650円からと非常に値ごろに楽しめるようにしている。

今回の商品設計や価格帯は、実は価格からスタートしていて、「この価格に収めるならば、どういったことができるか」ということを、原価も含めて考えた結果の商品となっている。650円からセットで飲める、というのは非常に良い価値だと思っており、しっかり食べたい方がバーガーを注文してくださることもあるのではと考えている。様々なシーンで利用していただくためにもメニューは充実させなければと考えており、前菜から焼き物などをバランスよくそろえたい。

フレバルメニュー例
フレバルメニュー例

――期待する効果は。

これまでより約3割増しで来店していただくことを想定している。売上的には約1割の増加を見込んでいる。

帰り際にパソコンで仕事する方は結構いらっしゃる。そうした時に今回のハッピーアワーの290円はコーヒーと同じ値段なので、仕事終わりにコーヒーの代わりに軽く飲むという使い方もできる。特に女性の場合、ひとりで居酒屋に行くことはハードルが高いと思っている。お酒は好きだけど、ひとりでは行けない方に、気軽に立ち寄ってもらえたらと思う。

――オペレーションなどの変更はあるか。

「フレバル」を行う上で一部変更する。例えば、店内と店外のポスターなどツールを、夕方ごろから大幅に変更する。通常時はハンバーガーとドリンクを中心にアピールしているところを、アルコールも販売しているバーガーチェーンだということを伝える内容に変更し、近隣の方にアピールしていく。

我々がアルコールも提供している店舗だということを知らない方は大勢いると感じており、店頭での見せ方や、アピールの方法なども今後は変えていかなければと思う。

――今後の施策などは。

大手のバーガーチェーンの場合、仕入れの関係で使えない食材もある。反対に、当社の規模だからこそ使える食材は多くある。そういった価値ある食材、日本国産のものも含めて世の中に送り出したい。

カフェ戦略については、まだメニューが足りないと思っており、コーヒー類の更なる進化や、幅広い層の方にゆっくりと過ごしてもらうための商品や施策を打ち出したい。

あとはデジタルマーケティングとして、例えばグループ共通ポイントの導入などで、これまでフレッシュネスバーガーを利用されていなかった方に広くリーチできる戦略を今後は重点的に取り組めればと思う。

〈冷食日報10月2日付〉

フレバルメニュー全10種
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近年の冷凍食品をめぐる情勢は、共働き世帯の増加や家族構成の変化、また飲食店や量販店の惣菜売場の多様化によって需要が増加しています。一方で、家庭用冷凍食品の大幅値引セールの常態化はもとより、原料の安定的調達や商品の安全管理、環境問題への対応など課題は少なくありません。冷食日報ではこうした業界をめぐるメーカー、卸、そして量販店、外食・中食といった冷凍食品ユーザーの毎日の動きを分かりやすくお伝えします。

創刊:
昭和47年(1972年)5月
発行:
昭和47年(1972年)5月
体裁:
A4判 7~11ページ
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