日本マクドナルド決算、既存店投資を加速 店舗体験向上を成長戦略の中心に
日本マクドナルドホールディングスは2月6日、2025年12月期決算説明会を開き、全店売上高が過去最高を記録したことを発表するとともに、今後の成長に向けて既存店投資と店舗体験の強化を軸とする方針を示した。外食市場が拡大基調を維持する中、同社は出店と並行して既存店の改装やデジタル化投資を進め、1店舗当たりの売上・利益の向上を目指す。
一般社団法人日本フードサービス協会が2026年1月26日に発表した「2025年外食産業市場動向調査」によれば、外食市場は回復基調を維持し、コロナ禍からの需要回復と価格改定の進展を背景に市場規模は拡大傾向が続いている。一方で人手不足やコスト上昇など、事業環境は依然として厳しさを残しており、各社は効率化や付加価値向上を軸とした成長戦略を模索している。
こうした環境の中、日本マクドナルドは2025年12月期において売上高・利益ともに高水準を維持し、今後も成長を継続するための投資方針を明確にした。
売上・利益とも過去最高水準、出店も継続
2025年の全店売上高は8886億円(前年比7.2%増)、既存店売上高は同5.7%増(41四半期連続増)、営業利益は532億円(同10.9%増)となり、前期実績および業績予想を上回った。トーマス・コウ社長兼CEOは「顧客の声を聞き、QSC(品質・サービス・清潔さ)と利便性の向上に継続的に投資してきた成果」と説明した。来店客数は前年を上回り、年間120店舗を新規出店するなど店舗網の拡大も進んだ(期末店舗数3,025店)。
同社は2025年を中期経営計画の初年度と位置づけており、成長戦略の柱として店舗体験の向上を掲げる。コウ社長は「中計では、これからも『日本で最も愛されるレストランブランド』であり続けるために、地域に根差したフランチャイズビジネスの強化・拡大を通じてさらなる成長を目指す。ビジネス環境が急速に変化する中で成功するには顧客中心であることが重要。顧客の声を的確に捉え、最高の店舗体験を提供することで市場シェアを拡大できる」と述べた。
既存店改装とデジタル化で店舗体験を刷新
象徴的な取り組みが既存店投資である。モバイルオーダーやデリバリー、セルフオーダー端末の普及に伴い注文方法が多様化しており、店舗レイアウトの最適化や厨房能力の向上、内外装刷新を進める。2026年は350~400店舗の改装を計画し、中期計画3年間で1000店舗の改装を実施する方針を維持した。リモデルは中長期的な収益性向上に大きく寄与する投資と位置付けている。
出店戦略も継続する。2025年は120店舗を新規出店し、2026年は130~150店舗の出店を予定する。一方で、戦略的な出店と閉店を組み合わせた店舗の入れ替えも進めており、手狭になった店舗をキャパシティの高い店舗へ刷新することで顧客の利用機会拡大を図る。こうした改装や店舗入れ替えを通じ、1店舗当たりの収益性向上を重視する姿勢を示した。
デジタル化も成長戦略の重要な要素である。モバイルオーダー、デリバリー、セルフオーダー端末などの導入により利便性が向上し、客数増加につながっている。2025年10月には新しいポイントプログラム「マイ・マクドナルド・リワード」を本格展開し、常連客との関係強化を進めている。
フランチャイズ拡大と人材確保が成長支える
また、フランチャイズ比率は2023年まで約70%だったが、2025年末には76%超まで上昇した。地域に根ざした店舗運営を強化し、オーナーとともに成長する体制を拡大する方針だ。
人材面では、紹介採用の強化や教育体制の充実により、全国約22万人のクルーが事業成長を支えていると説明した。
一方、原材料費の半分以上を輸入に依存しており、為替予約を複数年で行うことで短期的な為替影響を抑制している。2026年も店舗運営コストの上昇が見込まれるが、全店売上高の増加と収益改善活動により営業増益を目指す。
2026年12月期は全店売上高9420億円(前年比6%増)、営業利益545億円(同2.3%増)を見込む。店舗投資とデジタル強化を軸に既存店の成長を重視する戦略がどこまで成果を生むか、2026年はその成長モデルの持続性が改めて問われる年となりそうだ。







