「店内10%、持ち帰り0%」で外食に大打撃? 食品消費税ゼロ案に業界が強い懸念
〈日本フードサービス 消費税ゼロに慎重姿勢〉
一般社団法人日本フードサービス協会は2月25日、記者会見を開き、政府・与党内で検討が進む「食料品の消費税を2年間ゼロとする案」について、慎重な対応を求める意見を表明した。
同案が現行の軽減税率の枠組みを維持したまま実施された場合、持ち帰りは0%、店内飲食は10%となり、現在2%である税率差が10%へ拡大する。協会は軽減税率の適用時に、2%差でも持ち帰り比率が上昇した経緯を挙げ、「10%差は消費マインドに極めて大きな影響を与える」と懸念を示した。外食産業では、スーパーやコンビニエンスストアとの競争環境も厳しさを増している。持ち帰りや総菜の消費税がゼロとなれば、税負担の差が価格に直接反映され、外食の店内飲食は相対的に割高となる。
日本フードサービス協会の久志本京子会長は「同案が実施されたら、外食産業ではテイクアウト比率が上がることは推察できる。ただ、外食産業は、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどとの競争が激化している。食料品の税率がゼロとなれば、スーパーやコンビニの総菜、食料品と外食の店内飲食における税負担の差がさらに拡大し、飲食店の客離れを招く」とした。加えて、制度変更に伴うレジ・システム改修や表示変更など現場負担も大きく、人手不足下での対応は困難との見方を示した。

同氏は「コロナ禍で大きな負債を抱えた後、賃金の上昇や米をはじめとする食料費、食材費、光熱費などあらゆるものの価格が上昇する中で、昨年の飲食店の倒産件数は過去最多を記録した。そのような経営環境にある外食産業に対して、さらなる深刻な影響を与えることとなる」とも話した。
また、協会は「外食は食事だけでなく、空間やサービス、ホスピタリティを提供する産業である」と強調する。高級店だけでなく、日常的な食事を提供する店舗も多く、栄養バランスの確保や地域コミュニティの場としての役割も担っていると訴えた。
地方への影響も懸念される。コロナ禍で負債を抱えたまま経営を続ける事業者も多く、資金繰り悪化の可能性も指摘されている。
協会は政府に対し、給付付き税額控除の早期導入や、制度的課題の多い軽減税率制度の抜本的見直しを求めていく考えだ。また、同案の検討が進む場合には、外食の店内飲食も対象とする制度設計や、助成金措置なども求めていく構えだ。







