【冷凍食品市場動向】相次ぐ値上げ 要因はコメ価格の高騰など、値ごろ感への支持拡大も続く

(写真はイメージ【2024年2月撮影】)
(写真はイメージ【2024年2月撮影】)

冷凍食品メーカー各社が、2026年3~4月頃に出荷価格の値上げを行うと相次いで発表している。主力的な位置づけの商品でも値上げが予定されている。コスト上昇による様々な食品の値上げが続く中、プライベートブランド(PB)商品や、大容量商品といった値ごろ感のある商品が伸びている。また一部メーカーでは、値上げした商品の店頭売価を特売として下げているほか、価格を抑えた商品の投入を計画しているところもある。値上げが相次ぐ中、価格競争も起きている。

メーカー各社において、物流費や材料費、人件費などの高騰によって商品が売れても利益の確保が難しい状況にある。
冷凍食品メーカーで、26年11~12月にかけて値上げを行うと発表した企業は、味の素冷凍食品・キユーピー・極洋・テーブルマーク・日清食品冷凍・日清製粉ウェルナ・ニチレイフーズ・ニッスイ・マルハニチロなど。値上げ予定の商品群は、米飯や麺類、弁当品、冷凍野菜など多岐にわたる。

味の素冷凍食品は「ザ★チャーハン」など6品で改定を実施する。
テーブルマークは「焼めし」や「ライスバーガー焼肉」など12品で値上げに踏み切った。
日清食品冷凍は「日清中華 汁なし担々麺」や「日清まぜ麺亭 台湾まぜそば」など15品の価格を引き上げる。
日清製粉ウェルナは「マ・マー 2種のパスタ ナポリタン&たらこ」と「同 ナポリタン&焼きそば風」の2品で実施する。
ニチレイフーズは「焼おにぎり」や「本格炒め炒飯」などで値上げを行う。
ニッスイの家庭用冷凍食品では「大きな大きな焼きおにぎり」など37品が対象となる。
マルハニチロで値上げする商品は、「鶏ごぼうごはん」や「ミックスピザ」など57品。
コメの高騰の影響もあり、米飯商品で値上げの実施が目立つ。
今回値上げを実施するある企業の担当者は「節約志向が高まっているため、やはり値上げをしないで済むならやりたくはない。ただ、昨今の市場環境的に実施せざるを得ない」と話す。

値上げを発表していない企業においても「商品によって差はあれ、値上げによって数量の落ち込むリスクはある。しかし、利益的にはかなり厳しく、検討はしている」(別のメーカー担当)という。

〈PBは伸長傾向続く ニーズの二極化はより深まるか〉

様々な商品で値上げが進む中、PB商品や大盛り商品など、値ごろ感の強い商品の需要は高まっている。
イオンで展開のPB「トップバリュ」において、2025年3~8月における全体の売上高は前年同期比11.7%増と大幅に伸長した。今年10月に実施した60品目の値下げでは、10月2日~14日における対象品目の売上は前年同期比で63%増加したという。冷凍食品の販売も伸びたようだ。
その理由について、イオントップバリュの土谷美津子社長(イオン取締役執行役副社長と兼務)は「生鮮品の価格が上昇する中、冷凍食品は値上げの影響が比較的小さく、節約志向とタイパ意識の高まりが後押ししている」と話す。

大盛りやデカ盛りも、前年以上に需要は高まっているようだ。メーカーによっては大幅2ケタ増になったという話もある。
メーカーの担当者は「こうした商品は、タイパやコスパの需要に合致しているため、支持は広がっている」と語る。別のメーカーでは、値ごろ感のある商品を投入したところ「スーパーのバイヤーから『こういう商品を待っていた』という声をもらった」ようだ。
最近では、値上げによって落ち込んだ数量を回復させるため、特売などで売価を下げるメーカーもあった。メーカー担当者は「値上げをして数量的に厳しかったのか、特売などで値下げに踏み切るところもある」と話す。
また、2026年春の新商品で、価格を抑えた商品の投入をすでに表明しているメーカーもある。
物価高騰による節約志向の高まりは当面続くと見られる。一方で、規模はまだ大きくはないものの、冷凍食品では単価の高めの商品も伸長傾向にある。値ごろと付加価値の二極化はさらに進むのか。

〈冷食日報 2025年12月26日付〉

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近年の冷凍食品をめぐる情勢は、共働き世帯の増加や家族構成の変化、また飲食店や量販店の惣菜売場の多様化によって需要が増加しています。一方で、家庭用冷凍食品の大幅値引セールの常態化はもとより、原料の安定的調達や商品の安全管理、環境問題への対応など課題は少なくありません。冷食日報ではこうした業界をめぐるメーカー、卸、そして量販店、外食・中食といった冷凍食品ユーザーの毎日の動きを分かりやすくお伝えします。

創刊:
昭和47年(1972年)5月
発行:
昭和47年(1972年)5月
体裁:
A4判 7~11ページ
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