清酒にもインバウンド効果、高額商品の販売が好調

観光庁調べによる訪日外国人客数は、昨年が29.4%増の1,341万人、今年は2,000万人ペースとも言われている。特に中国人観光客による「爆買い」が話題となっているが、インバウンド需要は清酒も例外ではなく、大手清酒メーカーからは、特に5,000円を超える高額品の販売が好調という声が多く聞かれた。酒蔵を訪れる外国人観光客も増加傾向にあり、直営ショップの清酒や化粧品の販売額も大幅に伸びている模様だ。また、大阪の繁華街ミナミに出店している「ドン・キホーテ御堂筋店」は清酒の品揃えにも力を入れているが、「既存店より5倍以上売れている」(同社)。
沢の鶴によると、大吟醸「春秀」瓶詰など、「一升瓶で3万円などの高額品が売れている」(同社)という。また、2.7L容量で33万円税別の大吟醸「春秀」壺詰は昨年も数本売れたというが、今期は数量が数十%増の伸び率に対し、金額は100%増ペースで推移。前期(4~3月)実績は4~8月でクリアした。
大関は、700ml容量の特殊瓶で5,000円税別と、同社の中で最高額となる「超特撰純米大吟醸酒 十段仕込」の販売が好調のようだ。「飲食店直送専用商品として開発したが、現在は百貨店などにも置いている。インバウンドの押し上げは高く、今後もかなり伸びを期待する」(同社)。
宝酒造の「松竹梅白壁蔵〈純米大吟醸〉アンティークボトル」も、「4カ国語POPを付けると確実に売れる」(同社)。同商品は、「松竹梅白壁蔵」製造の第一弾商品で、昭和初期のボトルデザインを再現。桐箱調の箱に入れて、2Lは1万37円税別、720mlは5,013円同で販売している。