6月の豚肉需給展望 月間平均で税抜き510~530円、税込550~570円前後か

[価格見通しなど]2015年5月の東京食肉市場の上物平均価格(税抜)は487円(税込では526円)と前月比55円安(税込では59円安)となった。

5月は季節的に出荷が少なく、例年なら相場は4月を上回るが、今回は出荷量自体は少なかったものの、輸入チルドの供給が多かったこと、大型連休明けはバラを中心に売上が鈍ったことで、当初予想(税抜き520~530円)を大きく下回った。

5月の出荷頭数は、概算で7%減の122万頭前後、1日当たりでは6万2,000頭前後と見込まれる。出荷頭数が少ない一方で、輸入チルドは4月輸入量が2.8万tに達し、5月にある程度絞られたが引き続き供給量は潤沢だった。また末端の動きは、大型連休中は、輸入チルドは好調も、国産の販売は一定量が売れるにとどまった。その後も、末端の動きは鈍く、国産では特にバラの荷余り感が強かった。その結果、下旬は1日当たりの出荷が6万頭に届かない日が多かった中でも、460円台まで下げた。

2015年6月は、農水省食肉鶏卵課の肉豚出荷頭数によると、全国の出荷頭数は前年比1%増の125万6,000頭(過去5年平均比では3%減)を見込む。1日当たりでは5万7,100頭前後と6万頭に届かないと見込まれる。一方で、輸入チルドの供給は順調で、通常通り1週間に5,000~5,500tの輸入が見込まれる。しかし、消費は決して好調ではなく、末端の動きは5月同様、良くない。

これらを勘案すると、末端は良くないものの、出荷が少ないことで、相場は5月下旬を底に上昇すると見込まれる。ただ、輸入チルドの供給と、売れ行き不振から、2月のように高騰することは考えづらく、20~40円の上昇とみられ、月間平均では510~530円(税込550~570円)と見込まれる。出荷頭数によって上げ下げがあるが、6月後半からは若干上げ基調が強まるとの見方も出ている。