黒毛は雄雌平均で70万円超、交雑40万円伺う水準に-12月素牛相場

肥育素牛の出回り不足を受けて肉用子牛価格は高騰しているが、昨年12月の取引実績は年末需要期の枝肉相場高と空き牛舎の補充買いも相まって黒毛和種では雄雌平均で初めて70万円の大台を超えた。

農畜産業振興機構がまとめている全国家畜市場の肉用子牛取引によると、12月の黒毛和種(雄雌平均)は前月から3.4万円値上がりして1頭当たり72.7万円(前年同月比23.0%高)となった。同機構が公表する94年10月以降の取引価格として過去最高値を更新した。上述の通り、出荷後の空き牛舎への補充で買いが強まるなか、出回り頭数が前年同月比2.5%減と少なかったためとみられる。褐毛和種(同)も前月から5.4万円値上がりして64.8万円(25.3%高)と初めて60万台に乗っており、昨対比では黒毛よりも値上がり幅が大きい。一方、交雑種とホルスタイン種は前年に比べて出回り頭数が増えているものの、枝肉相場高を受けて交雑種の価格は39.9万円(11.1%高)と雄雌平均でも40万円を伺う水準となり、ホルスタイン種は25.2万円(59.5%高)、ホル雄に至っては25.4万円(60.8%高)と引続き大幅高となっている。

1月以降は、例年ならば引合いが落ち着き弱含む展開となるものの、ここ数年の供給不足で必要分の頭数を確保できない肥育農家も多く、高値でも購入せざるを得ない状況となっている。24日までの主要な家畜市場の黒毛和種の取引相場は平均75万円とさらに値上がりするなど、どこまで高騰し続けるのか先行きの展開が見え難い状況となっている。