サントリー食品インターナショナルの「サントリー天然水」は、同社の中でもビジネスとサステナビリティを最も両立しているブランドだろう。20年間シェアトップであり、昨年は同社初の販売数量1億箱を突破。『人と自然と響きあう』、『水と生きる』など、サントリーグループのあらゆるコーポレートメッセージのベースといえる製品だ。同社はブランド&イノベーション戦略で、3つの水源別のブランディングと、天然水の森プロジェクトの水源涵養活動や環境負荷低減といったブランドのエクイティ(資産価値)強化に加え、サブカテゴリーへの応用も推進している。ここでは、大幅に刷新した工場見学の取り組みを中心に紹介する。


〈体感型コンテンツで大好評〉奥大山工場の見学ツアー刷新

サントリー天然水奥大山(おくだいせん)ブナの森工場(鳥取県日野郡江府町)は、これまでの見学施設を大幅にリニューアルし、17年6月から「#水の山行ってきた工場見学ツアー~奥大山~」を開始した。見学ツアー用に新たに製作されたプロジェクションマッピングは、「サントリー奥大山の天然水」が育まれる経緯を最新の映像技術を用いて紹介する体感型コンテンツだ。子どもも理解できる内容となっており、参加者は自然豊かな奥大山そのものが天然水の装置であることを感じるだろう。また、敷地内には、「奥大山小道」と名付けられた遊歩道も新設した。周辺環境に合った植栽が施され、将来は森のようになることが期待されている。現地を訪れると、工場見学のイノベーションといえる画期的なツアーであることが実感できるだろう。奥大山の工場見学の刷新にあたり、サントリー食品は部門を越えた横断プロジェクトを編成した。それは水源ブランディングの上で、より奥大山へ注力し、その魅力を高める必要があると考えたためという。地域の行政や住民との信頼関係の構築も含め、地元への貢献は持続的に行う考え。来年の「大山開山1300年祭」も盛り上げる構えだ。


〈容器の環境負荷低減に邁進〉PET容器で業界をリード

容器では、環境への配慮と使いやすさの両立を目指し、「2R+B(リデュース・リサイクル・バイオ)」を打ち出している。ペットボトルの開発では、樹脂使用量の削減と再生素材の使用により徹底した資源の有効利用を行うとともに、今後は石油由来原料を再生可能な原料で代替していく計画。

原材料を削減する取り組みは、01年に「サントリー天然水(2LPET)」と、「サントリーウーロン茶(500mlPET)」の軽量化を契機に挑戦を続けている。「サントリー天然水」では、13年5月から550mlに国産最軽量となる11.3gの新ボトルを導入、2Lは13年2月から国産最軽量クラスの29.8gのボトルを導入した。加えて550mlには、植物由来原料を30%使用することで、石油由来原料の使用量を約4割削減している。環境負荷低減への取り組みで、常に業界をリードする考えだ。

〈食品産業新聞 2017年10月16日付「サステナビリティ特集」より〉
大山周辺に生息する木々が植えられた遊歩道

大山周辺に生息する木々が植えられた遊歩道