サントリー食品インターナショナルは7月30日、同月竣工したばかりのサントリーコーヒーロースタリー海老名工場で「ボス」の秋の戦略発表会を開催した。同ブランドは今年も好調で、1~6月累計販売数量は前年比9%増の5140万箱となり、年間目標の1億箱を達成見込みの状況。185g缶のショート缶でシェアを高めるとともに、500mlPETの「クラフトボス」が成長エンジンとなり販売数量で1200万箱を突破したことが大きい。

さらなる市場活性化に向けて、今後の商品戦略では市場を「容器起点」ではなく、「バリュー起点」で捉えていくという。ショート缶市場を、休憩時など5分の一服で気分転換できる濃縮の味わいの〈つかの間の一服〉とし、小容量ボトル缶やPET市場を“ちびちび覚醒しっかり味”と“ちびだら快適ドリンカブル”の〈ちびだら〉と位置付けた。

〈新焙煎機で多彩な味覚〉
同社常務執行役員ジャパン事業本部の柳井慎一郎ブランド開発第二事業部長は、「今までは容器の違いを起点に商品開発やマーケティング戦略を考えてきたが、それでは容器シフトの進行だけに目が行ってしまう。ショート缶市場が衰退し、新興のPETへのシフトが加速するというのは一面的な見方だ。われわれは、お客様にとっての価値(バリュー)を起点として市場を捉え直し、戦略の強化を図っていく。“一服”ではヘビーユーザーとのさらなる絆強化を、“ちびだら”は成長エンジンとして、秋冬も顧客創造に挑む」とした。

ちびだら代表格の「クラフトボス」は、ホット専用のフルライン化で顧客創造を図るとともに広告・キャンペーンも展開。年間2000万箱以上を目指す。

一服バリューのショート缶は、昨年の手売り市場合計が前年比13%減と厳しい状況だったが、「ボス」は同3%減で踏みとどまった。柳井常務は、「商品や広告、エリア別の戦略など、間断のないショート缶活動で、ヘビーユーザーとの絆を強化している」と語った。

そして、同社は「缶コーヒーのBOSS」として理想に向け、「サントリーコーヒーロースタリー海老名工場」(神奈川県)を7月に竣工。新焙煎機の導入でさらなるおいしさを追求する。
新焙煎機は温度を調節でき、豆の素材の力を引き出す高機能型

新焙煎機は温度を調節でき、豆の素材の力を引き出す高機能型

同焙煎機で焼き上げた新焙煎豆を使用するのは、9月4日に全国発売する「ボス THE CANCOFFEE(ザ・カンコーヒー)」(185g缶)。ヘビーユーザーに向けて、“たかが缶コーヒー、されど缶コーヒー”の想いで開発したという。

また、「ボス サントリーコーヒーロースタリーズ ブラック」「同 微糖」(同)を8月7日から関東・甲信越エリア限定で発売する。新焙煎機で焼き上げた、深煎りでありながら苦味や雑味を抑えた香り高く甘い余韻が続く味わいが特徴だ。

柳井常務は、「新焙煎技術は、今秋の新製品を皮切りに、来年には基幹製品にも展開し、おいしさの進化・向上を図る。ショート缶市場は日本独自に缶コーヒーという文化が育ってきた中で、限られた休憩時間での一服という気分転換としてのベネフィットは、今後もなくならないと思う。われわれはお客様との絆づくりをさらに強化する。働き方、世代を超えて愛されるブランドを目指す」とした。

〈食品産業新聞 2018年8月2日付より〉