〈自分も会社も世の中も〉
アサヒ飲料は、ESG(環境・社会・ガバナンス)領域での取り組みを強化し、将来のあるべき姿を示す指針「ビジョン」を今年制定した。これは、“社会の新たな価値を創造し、我々の「つなげる力」で発展させ、いちばん信頼される企業となる”ことを目指すもの。財務的な価値向上だけでなく、広い視野で社会の動きを捉え、事業活動のなかで社会課題を解決し、社会的価値を創造していくことが求められていることから、その想いを「ビジョン」で表した。重点活動領域は、国連で採択されたSDGsなどを参考に、健康、環境、コミュニティパートナーシップ、食育、サプライチェーンマネジメントの5つとしている。同社は、独自の強みである「つなげる力」を発揮し、5つの領域で、「ビジョン」の実現に向けて取り組んでいる。

人々の健康で快適な生活に貢献することを目指し、昨年スタートした「アサヒ飲料 健康チャレンジ!」をさらに深化させ、今年2月から順次取り組んでいる。毎日の飲み物を通じて、ココロもカラダも健康になることを目的とした、アサヒ飲料の全部門・全社員で取り組む活動である。

「健康チャレンジ!」の柱のひとつは、「健康価値を提供するサービス・活動」。具体的には、スーパーなどのイベントスペースで、骨密度のチェック、血管年齢、体内年齢といった健康数値の測定などを行う「健康チェックイベント」を開催するもの。17年は全国で30回実施(約3000人が参加)したが、今年は200回の実施を目指している。

子どもから大人まで、楽しみながら乳酸菌について勉強できるのは、「アサヒ乳酸菌勉強会」。社員自らが講師となり、生活者とコミュニケーションを深めている。

2つめの柱は、「社員自身の健康サポート」に取り組む活動だ。社員は毎日の健康への取り組みを専用アプリで記録し、ポイントを貯める「オリジナルのポイントプログラム」を3月から行っている。獲得ポイントに応じて健康グッズや寄付と交換できる仕組み。

そのほか、スポーツ庁が推進する「FUN+WALKPROJECT」に参画し、スニーカーでの出勤、勤務を促すほか、社員の体調管理と健康意識向上を目的に、定期的に社内で自社の健康飲料の提供を実施している。また、独自の健康価値を持つ商品の開発・提供に積極的に取り組んでいる。

〈出前授業で環境保全学ぶ 「三ツ矢サイダー」水の未来と環境教室〉
未来を担う子どもたちに「水の大切さ」「地球環境保全に取り組むことの大切さ」を伝えることを目的に、出前授業の「『三ツ矢サイダー』水の未来と環境教室~こどもSDGsスクール~」を今年6月から実施している。対象は小学4~6年生。同環境教室は、09年から実施している「『三ツ矢サイダー』ジュニア環境授業」を刷新したもので、新たにSDGsの観点を取り入れ、子どもたちの地球環境問題解決への意欲を育むことをねらいとしている。
「三ツ矢」出前授業はSDGsの観点も採用

「三ツ矢」出前授業はSDGsの観点も採用

また、同社が展開する“乳酸菌と発酵のひみつ”を伝える出前授業「『カルピス』こども乳酸菌研究所」の経験を取り入れ、新たに社員参加型の授業形式に変更した。
 
授業前半では、「三ツ矢サイダー」を題材に、「軟水・硬水」の違いや「ろ過」の仕組みについて実験を通じて学び、映像を通して各国の「水」に対する思いの共通点、異なる点を考える。特に、「三ツ矢サイダー」の水作りに欠かせない「ろ過」の仕組みの体験は好評で、ろ過器に通したオレンジジュースが無色になると、子どもたちから歓声が上がる。
 
授業後半では、国連の定めた開発目標(SDGs)を身近な事例から学び、「海の豊かさを守るためには」など、環境問題解決のために「自分たちでできること」を考え、発表する内容となっている。18年は25校の小学校を対象に実施した。
 
〈食品産業新聞 2018年10月15日付より〉