〈“ハイカカオ”ブームは一服も市場の底上げ感続く〉
2017年度の粉末ココア市場は、小売ベース165億円となり、前年を7%程度下回って着地したと推計される。18年度上期は、夏場の酷暑や度重なる台風上陸、さらにハイカカオブームに一服感が出たことから減少傾向で推移したが、前々年比はクリアしており、昨年あたりから強まってきたココア市場の底上げ感は継続している。高カカオを切り口とした商品や純ココアが、トライアル購入者を固定客化しきれず売り上げが伸び悩むなか、根強いヘビーユーザーを抱えるミルクココアが高いレベルで市場を下支えしているからだ。

近年のココアは、菓子分野におけるハイカカオチョコレートの好調をうけ、ハイカカオタイプや甘さ控えめがトレンドとなり、市場をリードしていた。菓子同様、ここにきてココアでもハイカカオに一服感が出ているものの少子化や人口減少が進んでいく国内市場において、中長期的に大人向け商品が存在感を増していくことは間違いない。

大人向け商品の充実化により、従来の30~40代(子育て世代)に加え50歳以上の中高年齢層がココアに高い関心を示すようになっており、この層との接点拡大がココア市場を持続的に成長させていくための最大のポイントになっている。

ココアメーカー各社では、ハイカカオなど健康軸の甘さ控えめな商品で中高年齢層の飲用を促すと同時に、日本人の嗜好に合っている定番のミルクココアを深耕し、ココア市場の活性化を図る構えだ。
ココア市場規模の推移

〈機能性訴求を強化、「立冬(18年は11月7日)はココアの日」認知促進も/森永製菓〉
森永製菓は、ココアのトップメーカーとして、市場を縮小させることなく伸ばしていくことを念頭に置き、地道な活動を長年にわたり継続的に行っている。一昨年には、冬のはじまりといわれる立冬がココアの需要と大きく相関することから、立冬の日を「ココアの日」として日本記念日協会に登録、制定された。今年も11月7日(立冬)ココアの日を拠点とし、最需要期へ向けて市場活性化に努める。

今シーズンは、「ココアで健康習慣」を日常化させるため、ココアの機能性をより強く訴求していく。新商品として、20~30歳代の女性をターゲットにした「スムージーココアスティック」(10g×5本入り)を発売した。1杯に、女性に不足しがちな栄養素の葉酸(83%)、鉄(51%)、亜鉛(31%、各1日あたりの基準値に占める割合)を配合。バナナ風味でホットでもアイスでも、おいしく飲むことができる。「スティックタイプのココアとしては3品目となるが、特にドラッグストアへの導入が順調に進んでいる」(同社)。今後、ドラッグストアを起点に他チャネルへの配荷を促し、間口の拡大を図る。

森永製菓「純ココア」「ミルクココア」「カカオ70」

森永製菓「純ココア」「ミルクココア」「カカオ70」

〈好調「ハイカカオ」刷新に手応え、190周年「バンホーテン」は販促強化/片岡物産〉
片岡物産は今上期(3月~8月)、バンホーテンの売り上げが前年を下回って推移した。猛暑の影響に加え、一昨年のココアのブームの反動減により「ピュア ココア」(100g・430円、200g・810円)が苦戦した。一方、夏季限定の「牛乳でつくるココア」は前年超え。「ハイカカオ」(200g、420円)には健康需要から引き合いが増えて、徐々に配荷が伸びている。
 
今秋は好調な「ハイカカオ」のリニューアルを行い、さらなる定着を図っていく。今回のリニューアルでは、カカオポリフェノール量を従来の一杯・23gあたり600mgから720mgへと大幅にアップした。
 
これは、売れ筋の「ミルク ココア」(240g、380円)に比べても3倍のピュア ココア使用量。甘さ控えめを求めるユーザーの声や、カカオポリフェノールの健康価値が注目されていることを受けて改良した。クリーム・バター成分を加えた濃厚なココアに仕上げている。「温めた牛乳で作るとまったり濃厚に、お湯で溶かせばすっきりとビターな味わいが楽しめる」(同社)という自信作。直近では、このリニューアルした「ピュア ココア」の投入により、「ミルク ココア」の店頭回転率も上がっている。
 
今季、販促については、人気漫画「ガラスの仮面」とのコラボキャンペーンを目玉に、「バンホーテン」ブランドの生誕190周年を記念した施策を展開する。

片岡物産「バンホーテン」シリーズ(ピュア ココア、ハイカカオ、ミルク ココア)

片岡物産「バンホーテン」シリーズ(ピュア ココア、ハイカカオ、ミルク ココア)

〈若年層の“ご褒美・スイーツ代替”ニーズに注目、新商品を開発/味の素AGF社〉
味の素AGF社は“専門店品質の濃厚な味わい”をコンセプトとした「ブレンディ カフェラトリー」スティックシリーズより「同 濃厚ミルクココア」を今秋発売した。ホットチョコレートのような、濃厚な味わいを特徴とした商品だ。若年層がココアに対して求める“ご褒美・スイーツ代替”といったニーズに着目し、本格的な泡立ち、スイーツのような甘い香り、とろけるような濃厚感にこだわって開発したという。
 
また、「ブレンディ スティック ココア・オレ」と「同 ココア・オレ ポリフェノールリッチ」においては、豪華旅行などが当たる「ココアとコアラで温まろうHEART HOT COCOA(ハート ホット ココア)キャンペーン」を10月9日から19年2月28日まで実施している。

味の素AGF社「ブレンディ カフェラトリー 濃厚ミルクココア」と“HEART HOT COCOAキャンペーン”イメージ

味の素AGF社「ブレンディ カフェラトリー 濃厚ミルクココア」と“HEART HOT COCOAキャンペーン”イメージ

〈食品産業新聞 2018年11月5日付より〉