日本コカ・コーラとセブン&アイ・ホールディングスは、セブン&アイグループの店頭で回収したペットボトルを100%使用したリサイクルペットボトルを使った共同企画の緑茶飲料「一(はじめ)緑茶 一日一本」を6月10日から、全国のセブン‐イレブン、イトーヨーカドー、そごう・西武など、セブン&アイグループ約2万1400店で発売する。

特定の小売グループ内で回収したペットボトルをリサイクルし、再び同じ小売グループ内で販売する取り組みは世界初。わかりやすいリサイクルループを示すことで消費者の理解を高め、リサイクルへの積極的な参加を促していきたい考えだ。

両社は5日に都内で記者発表会を開催し、新たな循環型ペットボトルの共同取り組みに関して説明した。

日本コカ・コーラのホルヘ・ガルドゥニョ社長は、「ペットボトルの完全循環、クロスループによるボトルtoボトルの初めての実現だ。全世界を見渡しても例がない。プラスチックの問題を解決するには、同じビジョンを共有するさまざまなパートナーとの連携が不可欠だ。取引先、社会、政府、そして消費者を巻き込んでの協力体制が求められる。“一 緑茶"をきっかけに、サステナブルの成長を世界にもたらしたい。そして、廃棄物ゼロ社会を実現していきたい」と話した。
完全循環型ペットボトルリサイクルの仕組み

完全循環型ペットボトルリサイクルの仕組み

また、同社技術本部の柴田充環境サステナビリティ部長は、「ペットボトルは、大変有用な容器だ。軽くて丈夫であり、携帯性にも優れ、何より環境においてリサイクル性能が高い。ただ、一方で、海洋プラスチックごみなどの社会的課題を抱えていることも認識している。ペットボトルの利便性と社会的課題、この両立を図るべく、われわれコカ・コーラでは廃棄物ゼロ社会を目指し、容器の2030年ビジョンを掲げ、取り組みを進めているところだ」と話した。
 
さらに、「今回、大きなカギになるのは、消費者の皆様とのさらなる協働である。お客様とお話しさせていただくと、回収拠点に持っていくところまでがリサイクルであって、なかなかその先が見えないという声をきく。逆に言うと、事業者として“リサイクルの見える化"ができていないということだ。今回、セブン&アイグループとの取り組みにより、具体的でわかりやすい形で回収、“リサイクルの見える化"を行うことができる。消費者の皆様にリサイクルの意義や目的といったものを明確にお伝えすることは、単なるペットボトルの取り組みにとどまらず、日本国の“プラスチック資源循環戦略”を推進していく上でも大きな役割が果たせるのではないかと期待している」と語った。なお、同商品は、ペットボトル1本あたりCO2排出量を25%削減できるという。
 
セブン&アイは現在全国で約750台のペットボトル回収機を設置している。2018年は約3億本・8900tを回収し、国内のペットボトル販売数量の約1%に相当する。現状の回収量は「すべて使う前提で、(「一 緑茶」の)年間販売本数ギリギリの量。完全循環型リサイクルの最初の1歩にようやく立った段階」(高橋広隆セブン-イレブン・ジャパン執行役員商品本部長)だという。今後は年間1000台ずつ回収機を新規に設置して回収量を増やしていく。

2018年は全国に設置したペットボトル回収機から約3億本・8900tを回収

2018年は全国に設置したペットボトル回収機から約3億本・8900tを回収

回収機の設置費用はセブン&アイと日本財団が協力して負担する。ただ、回収したペットボトルを再びペットボトルにリサイクルできる業者(リサイクラー)が関東に2社しかないため、回収機の設置は当面関東エリアが中心になる。井阪隆一セブン&アイ・ホールディングス社長は、「社会全体で取り組まなくてはいけない課題。リサイクラーには勇気を持って設備投資をしてもらえるよう啓発していきたい」と話した。
 
回収したペットボトルの収集・運搬は現在、セブン&アイが自社で行っているが、多大な費用がかかっている。5月からセブン-イレブンと日本財団、東京都東大和市が連携したペットボトル回収事業がスタートしている。収集・運搬は東大和市が負担しており、リサイクルを全国に拡大するには、「東大和市のような行政との連携は不可欠」(井阪社長)だという。
 
高橋執行役員は「コンビニ業界と飲料業界のトップが組むことで、リサイクルにおけるスケールメリットも出したい」と話した。
 
〈Youtube〉「一緑茶 一日一本」完全循環型ペットボトル資料映像=https://www.youtube.com/watch?time_continue=169&v=W9wTijpnEiM