飲料市場で進む“糖ばなれ”、各社新提案に見る“有糖炭酸”成長の可能性とは

「三ツ矢レモネード」「オランジーナ100」「キレートレモン スパークリング」「メッツ 超刺激クリアグレープフルーツ」
炭酸飲料市場は、無糖タイプの炭酸水が成長をけん引し、2018年に前年比1.6%増の約7476億円(全国清涼飲料連合会調べ)と拡大した。だが、有糖タイプの炭酸飲料は、一部の定番ブランドを除き、やや減少傾向となっている。これは、生活者の健康志向により、甘さを避ける、飲料の「避糖化」が進んだことが背景にある。

飲料メーカーでは、有糖タイプの炭酸飲料を好きな人は依然多いが、飲むことを我慢している大人世代が増えたと分析。そこで、味覚設計や飲用シーンの新たな提案を行って、大人の飲む理由を用意し、無糖の炭酸水や500mlPETコーヒーなどへ流出したユーザーに価値を伝える考えだ。

サントリー食品インターナショナルは、オランジーナブランドでは世界初となる果汁分を100%使用した炭酸飲料「オランジーナ100」を6月11日から発売した。甘い果汁の炭酸飲料と捉えて流出してしまった人たちに向け、果汁分100%を訴求して飲む理由を提供する。

同社の担当者は、「お客様が商品選択の際に、王道(定番)やファクト(事実)が明確なものにシフトしており、ファクトがしっかりしたものは残っていくと思います。甘い炭酸飲料を飲んで、“解放されたい”、“リラックスしたい”というニーズはなくならないので、いかに選ぶ理由を作れるかが勝負だと考えています」と話す。

「キリン メッツ」(キリンビバレッジ)は、主力品の「超刺激クリアグレープフルーツ」を今年4月にリニューアルし、透明感を前面に打ち出したパッケージで、手に取りやすくした。同社担当者は、「ターゲットは、40代を中心としたオフィスの机の上に炭酸飲料を置くことに抵抗がある人たち。見た目をクリアにすることで、炭酸でリフレッシュしたい時に気兼ねなく選べるようにしました」とする。

味覚で30~40代女性のニーズに応えるのは、4月に発売された「三ツ矢レモネード」(アサヒ飲料)だ。無糖と有糖の中間を目指した甘さひかえめの設計が支持されている。有糖炭酸に対して、「さっぱりしたい」「リフレッシュしたい」といったニーズが高まっていることに着目したもの。レモンの爽やかな酸味と、ほのかな苦みが楽しめる。

レモンに強みを持つポッカサッポロフード&ビバレッジは、「キレートレモン スパークリング」に注力する。担当者は、「レモンは数ある果物の中でも素材自体に健康感がある。また、レモン果汁の炭酸は比較的甘くなく、スッキリしているイメージがあります。その中でも、われわれはレモンの果汁がしっかり入っている価値を伝えていきます」とする。

一方、コカ・コーラシステムは、「コカ・コーラ」ブランド初のエナジードリンク「コカ・コーラ エナジー」を7月1日から発売する。炭酸飲料の顔となるブランドからの新提案であり、注目されそうだ。担当者は、「仕事も遊びもポジティブに、オンとオフを切り替える時に飲んでいただきたい」とし、「コカ・コーラ」ブランドの新たな飲用シーンを提案する。

「コカ・コーラ エナジー」

「コカ・コーラ エナジー」

炭酸飲料市場は、無糖炭酸以外のカテゴリーで厳しい状態が続きそうだが、大人世代も含めて糖分入りの飲料の潜在ニーズは高い。品質感の向上、オフィスでも飲めるデザイン、現代に合った甘さ設計などで、大人が飲む“自分への言い訳”をいかに作れるかが今後の成長のカギになりそうだ。