〈新工場「サントリー天然水 北アルプス信濃の森工場」稼働で需要増加に対応〉
サントリー食品インターナショナルは11月22日、長野県大町市に建設するナチュラルミネラルウォーター「サントリー天然水」の新工場の名称を「サントリー天然水 北アルプス信濃の森工場」にすると発表した。2021年春の稼働を目指す。また、同工場で製造する「サントリー天然水」の名称は、「サントリー天然水〈北アルプス〉」にすることも明らかにされた。

「サントリー天然水 北アルプス信濃の森工場」は、伸長を続ける同社ミネラルウォーター事業において、「サントリー天然水」のさらなる安定供給を目指し、新設するもの。「サントリー天然水」としては、「南アルプス(山梨県北杜市)」「阿蘇(熊本県上益城郡)」「奥大山(鳥取県日野郡)」に続く、第4の水源地となる。出荷エリアは、主に関東エリア以北を、出荷開始時期は21年夏以降を予定している。

「サントリー天然水」は、2018年に日本で最も売れている飲料ブランドとなった。冷たくて清らかである、いわゆる“清冽(せいれつ)なおいしさ”が支持され、年間販売数量は3年連続で1億ケースを超えている。昨今では、夏の猛暑や多発する災害などで水の需要は年々増加しており、供給能力の増強が課題だったが、新工場の設置により安定供給を促進する。
「サントリー天然水 北アルプス信濃の森工場」イメージ模型

「サントリー天然水 北アルプス信濃の森工場」イメージ模型

22日に長野県大町市で新工場の概要を発表したサントリー食品インターナショナルの小郷三朗会長は、「新工場は生産拠点としてだけの存在ではない。今後、大町市の水や自然の恵みの素晴らしさを、多くの人に体験していただける場所にしていく。自然と触れ合うことの素晴らしさを通じ、人々がより豊かに心の交流を交わすことができるような、サントリーグループの企業理念である“水と生きる”を体現するような施設にしたい」と話した。
 
新工場の最大の特徴となるのは、敷地内につくられるブランド体験型施設だ。内容は、
〈1〉自然の魅力を感じられる工夫が施された遊歩道
〈2〉清冽な「サントリー天然水」ができるまでの過程を体感するシアタールーム・見学通路
〈3〉北アルプスの山々を目の前に「サントリー天然水」が試飲できる展望テラス
――などが設けられる。地元の食材を楽しめるレストランも併設される予定だ。

敷地内の「森の遊歩道」(上)と「ものづくり棟」の展望テラス(下)のイメージ

敷地内の「森の遊歩道」(上)と「ものづくり棟」の展望テラス(下)のイメージ

長野県の太田寛副知事は、「今回の台風19号の被災にあたり、サントリーホールディングスからは、多額の義援金をいただき、また避難所には多くの水商品を提供いただき感謝している。新工場は、生産工場であるとともに、地元の方々との交流も含め、長野県や大町市のブランドを高める大変価値のある工場である。観光客の方も含めた交流施設も併設され、長野県の新たな観光施設となることを期待している」と語った。
 
ただ、工場建設にあたっては苦労もあり、人手不足や資材不足の影響により、当初の稼働予定(2020年末)より遅れている。その中で、同社は投資を前倒しして設備を整えることで、生産能力は年間1000万ケースから1500万ケースへ上方修正した。投資額は想定よりも増え、現時点の見込みは約240億円になるという。
 
他の取り組みでは、環境配慮について、再生可能エネルギー発電設備やバイオマス燃料を用いたボイラー導入、再生可能エネルギー由来電力の調達などにより、同社で初めて“CO2排出量ゼロ工場”を実現するという。
 
地域・自然との共生に向けては、同工場の水源涵養エリア約441ヘクタールの森林を、「サントリー 天然水の森 北アルプス」として、水を育む森林の整備・保全を進めていく。また、地下水の啓発など、大町市と連携して同市ならではのプログラムでサントリー次世代環境教育「水育(みずいく)」を実施することも発表した。

左から太田副知事、小郷会長、大町市の牛越徹市長

左から太田副知事、小郷会長、大町市の牛越徹市長

【「サントリー天然水 北アルプス信濃の森工場」概要】
▽所在地=長野県大町市常盤西山地区
▽取得面積=約41万平方メートル
▽建築面積=建築面積2万6,457平方メートル(延べ床面積4万760平方メートル)
▽事業内容=「サントリー天然水」の製造、保管、配送
▽着工=2019年9月
▽稼働予定=2021年春
▽年間生産能力=1,500万ケース
▽製造品目=「サントリー天然水〈北アルプス〉」550mlペットボトル、2Lペットボトル