コーヒー飲料の市場は、2019年1~12月累計の生産数量が前年比0.9%増の約331万キロリットルとなり、販売金額は同2.0%増の約9,049億円となった(全国清涼飲料連合会調べ)。

容器別の生産量では、ペットボトルがボトルコーヒー(900ml)の堅調や、パーソナルサイズの500ml商品で実績を伸ばしたことで、185g中心のショート缶を一昨年から逆転し、2019年もペットボトルは前年のシェア(38.7%)を上回る43.8%まで構成比を高めている。

最大構成比を占めるようになったペットボトルコーヒーにおいて、パーソナルサイズの主戦場となっているのはミルク入りタイプである。

各社はこれまでブラックやラテなどの単純なフレーバー展開を行っていたが、ユーザーの拡大による嗜好の多様化を受け、飲用シーンに合わせたきめ細かい提案が必要と捉え、今春はミルク入り商品の品揃えを強化している。

500mlペットコーヒーの市場を開拓したサントリー食品インターナショナルの「クラフトボス」は、新商品として「クラフトボス スペシャルティ微糖」(500ml/170円税別)を3月3日から発売した。

もともと「クラフトボス」は、若年層や女性のユーザーから支持されてきたが、その一方で、40代以上の男性にペットコーヒー飲用の未経験者が多いという課題があった。そこで、新商品は豆の選別・焙煎・抽出、そしてブレンドにこだわることにより、コーヒー重視派も満足できるような味わい深く、軽やかなコクを目指したという。

コカ・コーラシステムは、ミルクにこだわった新ブランド「ジョージア ラテニスタ」を立ち上げ、「カフェラテ」と「ビターラテ」(各280mlPET/139円税別)を3月30日から発売する。

ショップのカフェに親しみのある20~30代をターゲットに、カフェで飲むような豊かなミルクの味わいと、お洒落さと携帯性の高いデザインが特徴。独自開発したミルクブースト技術を採用し、従来の同社商品に比べてミルク感が3倍になったという。

UCC上島珈琲は、カフェの味わいやおしゃれな雰囲気を楽しめる「BEANS&ROASTERS(ビーンズ アンド ロースターズ)」ブランドの「ミルク好きのラテ」(450mlPET/170円税別)のパッケージを3月30日から刷新する。

コーヒーがほんのり香るミルク好きのためのラテとして昨秋の発売以来人気を集めている。今回、店頭での視認性を向上させ、ミルク好きにいっそう訴求する。フレーバー展開も期間限定で行い、4月6日には「ミルク好きのストロベリーラテ」(450mlPET/170円税別)を投入する。

キリンビバレッジの「小岩井 ミルクとコーヒー」(500mlPET/150円税別)は、昨年実績が前年比で約2倍となった。シンプルな白基調のパッケージと、ミルクリッチな甘さで大人向けカフェオレへと進化したことが好調の要因。コーヒーブランドではなく、乳ブランドとしての提案により、独自のポジションを確立。夏に向けてはリニューアルを予定している。

伊藤園は「TULLY’S COFFEE JAPAN TASTE (タリーズコーヒー ジャパンテイスト)黒糖ラテ」(500mlPET/160円税別)を4月13日から発売する。日本人の味覚に合わせ、繊細でほのかな黒糖の甘みが楽しめるカフェラテ。黒糖を使用することで、ほどよい甘さですっきりとした味わいに仕上げた。国内焙煎100%、アラビカ種100%の豆を使用している。

ペットコーヒーで後発となるアサヒ飲料は、新たに植物ミルクで作ったラテ飲料「PLANT TIME(プラント タイム)」を立ち上げ、「ソイ ラテ」(415mlPET/150円税別)を5月12日から発売する。

同社の調査で、ペットコーヒーのカフェラテユーザーのうち、30~40代女性の植物ミルクの摂取意向が72%と高かったことに着目した商品という。ほどよい甘さとヘルシーな植物ミルクで女性のリラックスタイムに向け提案する。女子美術大学と協同制作したパッケージも特徴だ。

2017年の「クラフトボス」の発売以降、盛り上がりを見せているパーソナルサイズのペットコーヒーは、翌年から各社が相次いで参入したことであらゆる売り場に定着してきた。

そのため、一時期ほどの拡大基調ではないが、ユーザーがペットコーヒーに求める嗜好の傾向はわかりつつある。売上規模の大きいミルク入りタイプを中心に、多様な商品がこれからも各社から提案されそうだ。

〈食品産業新聞 2020年3月16日付より〉